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16-18歳(学習・進路編)
<学習について>
<質問1>息子が就職の企業見学への親の付き添いを嫌がる
高3男子の母親です。子どもは就職を考えて企業見学をしています。子どもが決める企業がどんな企業でどんな仕事をするのか心配で見学会について行きたいのですが、恥ずかしいので来るな、と言います。どうしたら良いでしょうか。
<回答1>
親御様としては、お子様の希望を尊重しつつ慎重な企業選びを望まれるでしょうし、お子様には“自立・独立”の気持ちが溢れる時期です。
高卒、大卒問わず親子の職場見学はよくありますが、二つのパターンを感じます。一つは、仲良く企業情報を集める親子の姿です。もう一つは、他人のように振る舞ったり激しい口調で言い合う光景です。当然、前者には好感が持てますし、後者にはマイナスのイメージしか持てません。
そこで御質問の内容に戻りますが、「誰が働くのか、何のための親の見学か」を話題に、お子様とのお話に臨むと良いでしょう。高3生が親の同伴に抵抗を感じるのは普通ですから、“社会人デビューを控えたお子様との距離感”を保ちながら”親子の強い絆“で就職戦線を乗り切っていただきたいと思います。
<質問2>大学受験に向けて親が子にできることはあるのか?
高3女子の母親です。娘は大学へ進学したいと思っているようです。受験するのはもちろん本人ですが、何か親がしてあげられることはあるでしょうか?
<回答2>
受験を控え、悩んだりプレッシャーを感じたりしているお子さんに対する接し方には、気を遣いますよね。親として、できるだけ良い形でお子さんと関わり、お子さんが安定して勉強できるようバックアップしてあげたいものです。
まず、親子でお互いの希望や考えを話し合いましょう。試験科目なども含めて大学や学部について一緒に検討し、親子で目標と夢を共有したうえで、「あなたの第一志望を受けなさい」とお子さんを応援してあげてください。
また、お子さんの生活リズムや食事の管理など、健康面で支えてあげるのも親の大事な役割です。家で落ち着いて勉強できるよう、出来ればテレビや話し声のボリュームなどにも少し配慮してあげられるとよいでしょう。
以下に、受験生から親への声を紹介します。適度に期待していることを伝えて、前向きに励ますのが理想のようです。参考になさってください。
「ドンと構えて欲しい」
「ちゃんと勉強していることを分かって欲しい」
「自分を信じて見守って欲しい」
「怒られるとやる気がなくなるので、褒めて欲しい」
「行き過ぎた干渉はしないで欲しい」
「プレッシャーをかけるようなことはしないで欲しい」
<質問3>17歳の息子が家へ引きこもっていることで悩んでいる
高校へ入ってまもなく学校へ行かなくなり、進学クラスであったために進級できなくなりました。先生と相談して、通信制クラスに在籍しています。しかしこのままではどうしようもないので何かさせようと思いますが、どうしたらよいでしょうか。
ちなみに、息子は絵画を習いに行っていて、家にいる時はパソコンでイラストを描いています。息子の特技を褒めて、夫の名刺制作の依頼をしたのですが、自分の事ならするけれど他人の事には無関心です。
<回答3>
ご心配なことですね。でもまず、焦らないことが大切だと思います。それから、息子さんは「大きな失敗をしたから今後の道は険しい」とも考えない方が良いと思います。
全てにおいて「平均点」を実現することは極めて難しい事です。皆と同じような勉強をして同じように大学へ進学し、同じような人生を歩むことは安心であろうとは思いますが、その「平均点」が幸せに結びつくという保証はありません。
息子さんのようにひとつだけでも興味があるか自信があるものを持っていれば、それで十分だと考えます。例えばあなたの息子さんは、「描く」ことから突破口を見いだすかも知れないからです。
「失敗」は終わりを意味するのではなく、「データがまた増えた」と考えるべきです。すなわち、1回で成功した人には1つのデータ、9回失敗して10回目に成功した人には1つの成功データと9個の失敗しないためのデータが残るのですから
年を重ねた老人の一言は、哲学者の言葉と同じであることが多いのですが、「経験すること」「体験すること」は重要であって、手を動かしたり体を動かしたりすることで、今まで気づかなかったことを発見する時があります。頭だけでなく、五感を磨くことも大切だということです。息子さんが経験したことややっている事が、間違いなく全て将来の良い事に結びつくと思うのは、気休めではありません。
家に引きこもる理由はいくつか考えられますが、前述のような考え方を参考にされた上で、親の目線でなく息子さんの立場に立った言葉掛けを日常において工夫してください。息子さんの考えが見えてくるかも知れません。また、息子さんが何らかの意思を示されるかも知れません。ただし、このような状況がさらに続くのであれば、学校の相談室や専門機関への相談をお勧めします。
<質問4>3年0学期には何をすべきでしょうか。
高校2年生の男子です。学年集会で「2年の3学期は3年0学期ともいわれる重要な時期だからしっかり勉強するように」というお話を先生がされていたのですが、具体的には何をどのようにすればいいのかわかりません。
<回答4>
そうですね、「しっかり勉強しなさい」といわれても漠然としていますね。勉強しなければならないということは、改めて言われなくてもわかり切っているわけですからなおさらですね。まずは、その先生の言葉を少し補ってみることにしましょうか。
受験本番まで約1年間の時間が残されているこの時期に、受験勉強をスタートすると合格率が上昇するというデータがあり、それを根拠にすると、この時期にしっかりやりましょうということになるわけです。
さて、具体的に何をどのように勉強するかということになると、一人ひとりの状況によって異なってきます。
まずは、今後1年間の学校行事、部活の大会、考査、模試等々の大まかな流れを把握しましょう。次に、志望校で要求される学力を目指すべき「ゴール」、現在の自分の学力を「スタート」に設定し、1年間でゴールにたどり着くために何をすべきかを書き出していきます。それらを学校行事等の様々な状況を考えたうえで、適切な順番に並べたとき、先頭にあるものが今しっかりと取り組むべき勉強となります。
実際にこのような分析を行うときには、ひとりでしてはいけません。あなたの得意不得意をきちんと理解している教科担任の先生と一緒に行いましょう。教科担任の先生は、学習内容だけでなく学習方法についても専門家ですから、困ったときには遠慮せずに相談することをお勧めします。
<質問5>部活と勉強の両立ができていません
高校生の母親です。部活と勉強の両立ができません。部活をやめさせた方がいいのでしょうか。
<回答5>
「部活と勉強の両立ができない」と悩む生徒は多くいます。部活動に熱心に取り組むけれども、疲れて日々の学習が疎かになりがちなお子さんの姿を見て、「部活をやめたら?」と声をかけたくなる保護者の方も少なくないと思います。では、部活動をやめると、勉強時間は増えるでしょうか。実は、それほど変わらないことが多く、お子さんによっては、時間があると安心してしまい、かえって勉強しなくなる場合もあります。勉強との両立に苦しみながらも部活動に一生懸命取り組んでいる生徒の方が自己管理能力を身につけて、結果的に志望する大学に現役合格したり、希望どおりの就職をすることが多いように思います。
部活動と勉強を両立させるポイントをいくつか紹介します。
○授業に集中する。
○帰宅前に、やるべき勉強を決めておく。
○帰宅したら、決まった時間に勉強を始める。
○十分な睡眠時間と食事の時間を確保する。
○隙間時間を活用する。
ただし、これらのポイントは、お子さんの性格によって向き不向きがあると思われますので、お子さんと相談しながら取り入れられるとよいでしょう。部活動と勉強の両立は、お子さんが自己管理能力を身につける良い機会だと捉えてみてはいかがでしょうか。
<質問6>模擬試験ではいまひとつ結果が出ません
高3男子の母親です。6月の初旬に部活動を引退し、受験勉強に励んでいます。1日5時間程度の家庭学習をしているようですが、7月の模擬試験ではいまひとつ結果が出ませんでした。不安で仕方ありません。
<回答6>
受験生が本気で勉強を始めてから一定の結果が出るまでは、最低でも3ヶ月はかかる、と一般的に言われています。ですから、1ヶ月後の模擬試験で結果が出ることは考えにくいです。お子様が大きく伸びるのはこれからですよ。
10月、11月の模擬試験でよい結果を出す友達が増えていくと思いますが、それでも受験生全体の約2割程度だと言われています。そこで結果が出なくてもまだまだ諦める必要はありません。周囲に惑わされずに、落ち着いて学習に取り組むようにお伝えください。要は、来年1月のセンター試験で目標点が取れればよいのです。結果が出るのは本気で勉強を始めてから約半年後だ、と多くの先生方は考えています。さらに、各大学の2次試験があるのは2月下旬です。万が一、センター試験であまり良い結果が出なくても、その2次試験で大逆転して見事第一志望に合格した受験生も大勢います。特に、現役生は2次試験ぎりぎりまで学力が上がることが多いので、現時点では全く焦る必要はありません。私立大学が第一志望であっても、入試は2月中に行われることが多いので、十分に間に合います。「入試本番に間に合えばよい、模擬試験の結果は全く関係ない」、と気軽に考えて、お子様を信じましょう。そして温かく見守ってあげてください。
<質問7>英語のリスニングが苦手
高1男子です。英語の学習について悩んでいます。リスニングが苦手で、英語で行われる授業についていけず困っています。
<回答7>
英語の授業は英語で行われるのが当たり前になっているので、リスニングができないと苦痛ですよね。まずは、聴き取りができない原因を探っていきましょう。リスニングが苦手な原因の多くは、下の3つに大別されます。
①そもそも、その単語や文法、表現を知らない
②知っている単語や表現であっても、聴き取れない
③聴き取れたとしても、話すスピードに理解するスピードがついていかない
①に関しては、まず単語を覚える努力をしてみましょう。語彙力の強化、文法知識の習得は、語学習得においては、必要不可欠です。自分の知らない表現に出会ったら必ず覚えるように意識しましょう。
②に関しては、CDをよく聞いて正しい発音で練習してみましょう。正しく発音できない単語は聞き取ることができません。授業中にも正しい発音で積極的に話すことを心がけてください。聴くことは話すこととも密接な関係があります。家庭では、CDを一文ずつ止めてリピートするのも良い練習になりますよ。音のつながりも意識してみましょう。
③に関しては、英文を読む際に、返り読みをせずに意味をとるようにしていきましょう。英文を意味のまとまりごとに区切って、文頭から理解していくように頭を切り換えることが大切です。頭の中で和訳していく癖があると、スピードについていけません。
これらのことを意識して取り組んでいくと、リスニングの力は向上します。ただ、飛躍的に向上するのではなく、次第に力がついていくものです。少なくとも3ヶ月は意識して取り組んでください。語学学習は、粘り強く取り組むことが大切です。
<質問8>合格後の高校生活が心配なのですが
高校3年の男子です。推薦入試で公立大学の経済学部に合格しましたが、その後、全く学習に取り組んでいません。本人は、大学に入ったら学習すると言っていますが、大丈夫なのか心配です。
<回答8>
大学に合格されたとのこと、おめでとうございます。まずは一安心ですね。大学によっては、提出すべき課題があります。これは期日までに確実に提出しましょう。
さて、残りの高校生活ですが、これまでがんばってきたので、ほっとして学習をストップしてしまう気持ちはよくわかります。しかし、大学合格がゴールではなく、入学後はさらに高度な学習が始まります。一般入試で合格してくる生徒は、最後までしっかり学習に取り組んでいますので、入学後も継続して取り組むことができます。しかし、数か月間、学習していないと、入学後もなかなかエンジンがかからないこともあるようです。中には、大学の学習についていけず、休学や退学してしまうこともあるようです。
まずは、大学入学後も学び続けるための基礎学力が必要です。そのために、センター試験で、一般入試で必要とされる点数を目指す努力を行うことが大事です。
さらに、推薦入試で経済学部を受験しているということは、経済学を学びたいという意志が強いということだと思いますので、経済に関する本を読んだりして入学に備えてはいかがでしょうか。
<質問9>志望校を変えたいと言っています
高校3年の男子です。1学期に受けた模擬試験の結果では第1志望の判定が芳しくなく、本人は志望校を変えた方がよいと考えているようです。この時期に変えるべきでしょうか。。
<回答9>
この時期に返却される模擬試験の判定が振るわなかったからといって、志望校の安易な変更は得策ではありません。第1志望であればなおさらです。判定が良い方が安堵感はありますが、それを得るためだけに志望校を変更していると、本人の学習に対するモチベーションが失われるという本末転倒な結果を招きかねません。
模擬試験というと、どうしても成績表に記されている合格可能性のアルファベットに注目しがちですが、判定を見て一喜一憂して終わることだけは避けるべきです。成績が伸びる生徒は例外なく模擬試験をうまく活用しています。具体的には、①「模擬試験が終わったらすぐさま復習をする。」、②「一週間程度の間を空けて、できなかった問題をもう一度解き直す。」、③「返却された答案をみて、自分の解答がどのように評価されたのかを分析し、次の模試につなげる。」というサイクルが確立されています。模擬試験の活用の仕方をもう一度見直すことが、まずは必要かと思われます。
現役生は、1学期後半から着実に力をつけていき、受験本番まで成長し続けます。お子さんが良くない判定をみて気落ちしている場合は、保護者の方が叱ったり、一緒になって落ち込んだりするのではなく、「大丈夫!」とひと声かけて、気持ちを前向きにすることが最も大事なことではないでしょうか。
<質問10>塾へ行くべきか
高校1年の男子です。周りの友達が、2学期から塾へ通い出したようで、自分も塾へ行った方がよいのではないかと考えているようです。どうしたらよいのでしょうか。
<回答10>
まず言えることは、友達が行っているから自分も行くというのは、単に周囲に流されているに過ぎないということです。ある友達にとって効果的な塾であったとしても、本人にとって効果的であるかどうかはわかりません。さらに、2年後に控えている大学入試を見据えた場合に、誰かに与えてもらうのを待っているような受け身の姿勢でばかりでいても、合格には届きません。学校の授業を深く理解し、さらには自分で学習を進めていくことが要求されます。自分で学習を進める中で、自分の特徴を冷静に分析して、長所は伸ばし、弱点は補強する力が身につきます。これは今後の長い人生においても重要になる「自己分析力」です。今回の場合は、塾へ行くことが本人にとって、本当に必要なことなのかを、今一度考えさせてみるとよいのではないでしょうか。
<質問11>赤点とったら
全日制普通科の高校1年です。初めての中間考査前に子どもが「赤点とったらどうしよう」と不安になっています。中学校までと違い、進級や落第があるのは知っていますが、詳しくは分かりません。赤点とったらもうだめなのでしょうか。
<回答11>
確かに、中学校までの義務教育と違い、高校では「落第」する可能性があります。落第のことを「原級留置」といいます。原級留置は、出席日数、出席授業時数、成績など一定の条件を満たさなかった場合、もう一度、原級つまり今の学年をやり直すことです。一般に、40点未満の場合に「赤点」とよんでいます。ただし、一度の試験だけで「赤点」になり、「落第」になることはありませんのでご心配なさらないで下さい。もちろん、定期考査の成績は評価の重要な要素ですから、テストを頑張ることに越したことはありません。しかし、それ以外にも、課題をきちんと出すことや、真面目で積極的な授業態度も評価の重要な要素です。また、学期毎に各教科の評価(「通知表」のことです。)をしますが、進級を判断するのは、学年を通しての評価が材料となります。ですから、1度や2度の失敗は大丈夫だからと、お子さんを励ましてあげていただければと思います。
<質問12>文系か理系か?
高校1年です。文系と理系の選択に悩んでいるようです。親としては、医療系の資格をとると就職もしやすいと考えているので理系を勧めたいのですが。どうアドバイスしてあげるとよいでしょうか。
<回答12>
一般的な全日制普通科高校では、高校2年から教育課程が文系・理系に分かれるので、高校1年の中頃には文理選択をしなければなりません。保護者の方がお考えのように、「就職に有利」、「資格取得」なども選択する上で重要な判断ポイントであることは確かです。ただ、その前に本人が「どのような人生を送りたいと考えているのか」、「その人生でどのような職業に就こうとしているのか」、「その職業で必要とされる能力と人格とはどのようなものか」と考えることが重要です。その上で医療系の仕事には、「どのような適性や技量が必要なのか」、「どのような価値観や興味を持っていればよいのか」など、じっくりと考えていく必要があります。高校1年生でそんなことまで考えなくてもよいのでは思われるかもしれませんが、人生の節目ごとにこのようなことを考えていくことが大事です。文理選択もこの節目の大事な1つであるといえるのではないでしょうか
<質問13>やる気がない
高2男子です。授業中に寝てばかりいると先生から言われました。どうしたらよいでしょうか?
<回答13>
ここでは、「寝てばかりいる」ということを「やる気が起きないから」として、「やる気」について少し考えてみましょう。「やる気はどうやったら起きるか」には、いろいろな考え方があるのですが、ここでは3つに分けてみます。1つめは「やりたい」という気持ちが強いとやる気が起きる場合です。その授業内容に対する興味・関心が強い場合には、きっと起きて授業を聞いているでしょう。2つめは「できる」という感覚です。「これはできる。これなら分かる」と思えるとやる気も起きますよね。最後は、「しなければいけない」という気持ちです。「宿題を提出しないと減点です」というたぐいの強制力がこれにあたりますね。さて、お子さんのやる気を出すにはどのやり方が効果的でしょう?家庭でできる関わり方と学校の先生にお願いした方がよいやり方もあるでしょう。その他、やる気の問題以外が絡んでいることもあるかもしれませんね。学校や相談機関と相談しながらよい方法を考えていくのがよいでしょう。
<質問14>数学だけ苦手
高1男子です。他の勉強は普通ですが、数学だけ極端に苦手です。何かいい勉強法はありますか?
<回答14>
人には得意なことと不得意なことがありますが、「極端に苦手」とありますから、「他はそれなりなのに、どうして数学だけ?」と思われますよね。小学校の頃はいかがだったでしょうか。もともと苦手で基本的なところが分からないままになっていて、それでも小さい頃はなんとかなっていたが、高校生の難しさでは対応しきれなくなってきて、お子さんが困っているという可能性も考えられます。このように数学だけでなく、国語の読み書きなど、他は普通なのに、それだけ苦手であるという分野を持っているお子さんはいらっしゃいます。もちろん、人は得意なことややりたいことで社会に出て行けばよいのですから、そちらを伸ばしていくことも大切です。苦手なところはある程度克服できればよいともいえますが、高校生にもなると、できない自分は見せたくなく、数学の基本的なところが分からないなどと言いづらい気持ちの子も多いようです。高校の先生もお子さんのプライドを尊重しつつ、個別にサポートすることを心がけていますので、まずは学校とご相談なさることをお勧めします。
<進学について>
<質問1>推薦入試2
高2の女子です。国公立大学を志望していますが、できれば推薦入試で早く決めてしまいたいと考えています。今から面接や小論文対策を重点的にさせた方がよいでしょうか。
<回答1>
入試は親子ともに大きなストレスになります。できれば早く決めて安心したいという気持ちはよく理解できます。また、推薦入試には面接を課すところも多く、プレゼンテーションを課すこともあるので、人前で話をすることに慣れる必要があります。小論文も短期間で上達するわけではないので、早いうちから対策に取り組みたいという気持ちもわかります。しかし、国公立大学の推薦入試は、出願条件を満たし、学校長の推薦が得られて受験したとしても、必ず合格するものではありません。受験生はみなさん、面接などの準備をして受験してきます。高倍率になる大学・学部も多くあります。合格できなければ、一般入試でチャレンジすることになります。すなわち、学力が必要になります。最近は、大学で学び続けるための学力が必要であるという考えから、センター試験を課す推薦入試が増えています。また、センター試験は課されていなくても、面接の中で学力を問う問題が出題されることもあります。
現在、高2ということですので、推薦入試対策を重点的に行うのではなく、まずは希望大学に一般入試で合格できる学力をつけることを第一に考えましょう。その上で、面接や小論文対策にも取り組むことをお勧めします。また、推薦入試をワンチャンスと考え、合格できなくても、すぐに気持ちを切り替えて一般入試に取り組める精神力も大事ですね。
<質問2>学費や生活費
高校2年です。関東の私立大学へ行きたいと言っています。行かせてやりたいとは思いますが、経済的なことが心配です。学費や生活費はどのくらいかかるのでしょうか。
<回答2>
私立大学文系の学費の平均(平成25年度)は、初年度で約115万円です。2年生からは年間約90万円です。私立大学理系(医歯系のぞく)は、初年度約163万円、2年生からは約120万円、医歯系では、652万円、2年生からは約450万円です。1か月の生活費は、平均で11万7,930円(全国大学生活協同組合連合会「CAMPUS LIFE DATA 2013」)です。関東方面の場合には、平均よりも住居費が1万円以上高くなると考えてください。負担が大きいとお考えの場合、奨学金制度を利用する方法もありますので、詳しくは各学校または高校教育課にお問い合わせください。
<質問3>推薦入試
高校2年生です。推薦入試には一般推薦と指定校推薦という制度があると聞きましたが、よく分かりません。何が違うのですか。
<回答3>
推薦入試には、指定校推薦と公募制推薦(「一般推薦」)の2つがあります。どちらも原則として高校の校長先生の推薦が必要で、その他に書類審査や面接、小論文で合否が決定されます。学科試験は原則として課されません。大きな違いは、公募制推薦にくらべて指定校推薦の方が成績や部活の実績など推薦条件はきびしいですが、その反面、大学側が高校を指定しているわけですから合格率が高いのが現状です。ただし、毎年、大学が高校を指定して募集するものですから、自分の志望している大学から指定校推薦があるかどうか、3年生の夏以降に高校に確認する必要があります。また、推薦条件を満たしていても、校内で選考され、さらに校長先生の推薦がなければ出願できません。また、専願での出願が基本なので、他大学を受験することはできません。それに対して、公募制推薦は、評定平均値等の推薦基準を満たして学校長の推薦が得られれば受験することができます。併願を認めている場合もありますので、志望大学の推薦入試要項などを確認しましょう。
<質問4>国公立大学の入試
高校2年生です。長女なので、現在の入試の仕組みが私たちの頃とは違っていてよくわかりません。国公立大学希望なので、それについて教えて下さい。
<回答4>
入試制度も時代によって変わっていきます。以前は「共通一次試験」といわれていたものが、現在の「大学入試センター試験」(通称「センター試験」)です。1月中旬に実施されて、受験生は自己採点をして各大学に出願をします。その後、大学ごとの「個別学力試験」(通称「二次試験」)を受験します。「センター試験」と「二次試験」の合計得点で、合格が決まります。「二次試験」は、前期日程(2月25日以降)、中期日程(一部の公立高校で3月8日以降に実施)、後期日程(3月12日以降)の3つの日程で実施されます。センター試験の受験者は、3つの日程のそれぞれに出願することができます。大学ごとに「センター試験」と「二次試験」の科目や配点が異なり、一つの大学でも前期と後期では試験科目、配点が異なります。大学によっては、前期日程だけで、後期は募集しないところがあるなど、やや複雑です。ですから、志望の大学の入試制度をよく調べておくことが必要になるでしょう。その他、私立大学でもセンター試験を利用した受験をしているところが多くあります。詳しくはセンター試験や各大学の募集要項を取りよせてください。
<質問5>奨学金制度
高校3年生です。県外の大学に行きたいと言っていますが、経済的なことが心配です。奨学金制度を利用すれば何とかなるのでしょうか。奨学金について教えて下さい。
<回答5>
経済的な面を考えておくことは大事ですね。まず、高校時代に応募できる奨学金についてです。主なものに日本学生支援機構の奨学金があります。その他にもいろいろな奨学金制度が利用できます。各種奨学金には所得や成績などの応募条件があり、誰でも奨学金を受け取ることができるわけではありませんので、ご注意ください。詳しくは、高校に問い合わせてみることをおすすめします。次に、大学入学後も、学校独自の奨学金制度がある場合があります。志望する大学に問い合わせて確認するのもよいと思います。新聞配達をしながら奨学金を受け取ることのできる新聞奨学金という制度もありますが、学業との両立を求められます。
<質問6>第一志望と第二志望
高校3年生です。長男は第一志望めざしてがんばってきました。もし、不合格だったときに浪人も視野に入れているのですが、浪人しても成績が伸びるのか不安です。第二志望の大学に受かったら進学した方がよいのでしょうか。
<回答6>
保護者の方としては、がんばっているお子さんの姿を見ながら、頼もしく思う反面、もし結果が悪かった場合のことを考えると、ご心配は尽きないと思います。このような状況では、お子様の未熟な部分ばかりが目につき、受験を通して成長している部分が見えにくくなりがちです。そのため「成績が伸びるのか不安」、「第二志望に決めた方が安全」と考えるのも無理はありません。しかし、お子さんは十分、自分の人生を考える力も決める力もあるのではないでしょうか。そして、後悔しない人生を送っていただくためにも、最終的には自分で決断をして、進路を選択することが大事だと思います。お子さんから「親の言う通り人生を選択したので、...となった」というような言葉を聞きたくはないですよね。
お子さんの不安な思いを十分受け止めながらも、客観的な情報を提供して、自分自身で決断することをサポートしてあげていただけたらと思います。
<質問7>専門学校への進学
高校2年です。専門学校に行きたいと言い始めました。私は、とりあえず大学に行ってからでも遅くないというのですが、子どもは「目的もなく大学に行っても意味が無い」といいます。専門学校に進学することを認めてよいものでしょうか。
<回答7>
平成25年度3月の高校卒業者のうち全国の大学・短期大学等への進学率は53.2%(現役)です。また、少子化にともない「大学全入時代」と言われるようになりました。昨今の状況を考えると、「とりあえず大学に行って」と考える保護者の方も多いと思います。しかし、ここではお子さんの意志を最大限尊重しながら、その思いをくみ取ることが大事だと思います。お子さんは「目的もなく...」とおっしゃっているので、専門学校で学ぶことに相当の目的意識があるはずです。目的意識を強く持ったお子さんは頼もしいともいえます。その気持ちを受け止めた上で、お子さんの夢の実現に一歩近づくためには、大学教育がよいか、専門学校での教育がよいかをご一緒に考えてみてはどうでしょうか。大学教育は、幅広い知識をつけさせることを重視する傾向がありますが、職業教育を充実させている大学もあります。一方、専門学校も、大学への編入や大学院への進学が可能なものもあります。双方の垣根は低くなりつつあるので、十分お子さんとともに検討してみてください。
<就職について>
<質問1>地元企業への就職
高校2年です。職業系の高校なので卒業後は就職を希望しているようです。福井で名の通った企業は高校生も採用しているのでしょうか。
<回答1>
いよいよ進路決定の時期にはいり、たいへん頭を悩まされていることと思います。福井で名の通った企業とは具体的にはわかりませんが、最近は、採用の有無は企業によって年ごとに異なるようです。今年度求人があっても次の年には求人がないこともありますし、前の年になくても次の年には求人募集があったというケースもあります。高校生であれば7月から求人票が学校に送られてきます。全てが一斉に送られてくるわけではありません。企業によっては8~9月頃送られるところあります。7月頃に企業説明会が各地域で催されます。前もって参加企業をチェックし、話を聞かれるといいでしょう。この時は多くの地元企業の参加があると思います。この様なことを踏まえ、学校の進路就職担当の先生としっかり相談しながら、進路決定を考えていかれてはいかがでしょうか。
<質問2>公務員を目指している
高校2年です。今は高校生で公務員試験に合格するのは難しいと聞きました。高卒で公務員は本当に無理なのでしょうか。
<回答2>
まず、公務員にはいくつかの種類があります。大きく分けると国家公務員と地方公務員です。国家公務員は国の関係機関での仕事となります。具体的には、国家公務員一般職、裁判所事務官、刑務官などです。地方公務員は都道府県や市町村の機関での仕事になります。具体的には、県庁や市役所等の職員、警察官、消防吏員(消防士)などです。例えば、国家公務員一般職を希望する場合には、「国家公務員一般職」試験、県庁の職員なら「地方公務員初級」試験を受けるなど、職種によって受験する試験が異なります。 したがって、職種により試験の難易度は様々ですので、「高校生には無理」と一概にはいえません。しかし、近年はこれらの試験を大学卒業者が受験することも多いようですので、競争の激しい職種もあると思います。職種によって試験が異なるので、詳しくは各機関に問い合わせをしてみるとよいでしょう。受験希望または迷っている場合には、学校の進路の先生に相談してみたらいかがでしょうか。過去の先輩たちの情報などをアドバイスをしていただけると思います。
<質問3>就職への成績の影響
高校3年です。就職を考えています。就職だと学校の成績は関係するのでしょうか。関係するならばどのような科目をがんばらせればいいのでしょうか?
<回答3>
就職試験の選抜についての一般的な例をご説明します。企業から求人票が来るのは、通常7月からです。生徒は、それらの中から希望する企業を選びます。しかしながら、求人の定員に対して希望者が多い場合が出てきますので、その場合には校内での選考になる場合があります。その際の選考基準として、高校3年間の学業成績が含まれる場合がほとんどです。次に就職試験の受験が決まった場合です。多くの企業は筆記試験、面接等を課します。それらと高校から送られてくる調査書の評価を総合して採用の可否を決めます。以上の説明でおわかりかとは思いますが、就職試験と普段の学業成績は大きく関係しています。筆記試験は一般教養的な内容が問われることが多いですから、科目によっての大事さには差がないといえるでしょうし、どの科目にも努力していた態度は、高い評価を得ることでしょう。また、調査書には学業面だけでなく、高校時代の部活動や特別活動など行動の記録も書いてあります。これらを重視する企業もあるようです。企業は即戦力としての人材を求めてくる傾向が強くなってきています。
<質問4>求人票が学校に届かない
高校3年です。就職させたい企業があるのですが、求人票が学校に来ていません。どうしたらよいのでしょうか。
<回答4>
希望する企業から求人票が来ないケースは最近多くあります。その年に企業が募集するかしないかは、企業に問い合わせしないとわかりません。その場合には、直接個人で企業に連絡を取るのではなく、学校の進路相談担当者と話をして連絡を取ってもらうほうがよいでしょう。高校生の就職は、基本的に学校を窓口として行われるということご理解ください。希望する企業に募集がある場合には、求人票の提示時期や会社見学会の案内など、具体的な情報を提供してくれると思います。残念ながら募集見送りの場合もありますので、7月の早い時期に相談した方がいいと思われます。次に受験する企業を早急に決めましょう。
<質問5>社会人として自立できるか不安
高校2年です。子どもは就職を希望しているようですが、家での様子を見ていると、とても社会人として働けるようになるとは思えません。やめる人も多いと聞きました。どうしたらよいですか。
<回答5>
ついつい普段の様子を見ていると社会人としてやっていけるのだろうかと不安になってきますよね。多くの保護者の方はこの様な不安を述べられます。学校では、3年生の1学期から本格的に就職希望の相談がはじまっています。学校は社会人としての心構えなどの指導を強めていき、生徒の雰囲気も徐々に変わっていくものです。人は、具体的な目標が見えてくると行動も変化していくことが多いです。しかしながら、「学校では変化していても、家庭では相変わらず」ということもよく見られます。ご心配な場合には、学校での進路指導での様子を担任や進路担当へお聞きするのもよいと思います。就職しても辞めていく離職率は最近増加傾向にありますが、就職した全ての高校生がそうではありません。「立場が人を作る」という言葉もあり、就職すると見違えるように大人になっていく場合も多いです。就職先の環境は大事であると思われますから、お子さんと十分話し合って進路決定を行うことをおすすめします。