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0-6歳(生活編)
<質問1>スマホでゲームや動画などを見せている
病院で診察を待っている間など、子どもがぐずるので、スマホでゲームや動画などを見せて過ごさせています。最近、ゲーム依存の話題を聞くことが多いので、このままでいいのでしょうか?心配です。
<回答1>
病院や市役所など公共機関に子どもを連れて行く時に、どのお母さんも困った経験があると思います。大泣きして泣き止まない時には、周りの目も気になり、慌ててしまいますよね。そんな時にスマホなら、必ず持って出かけるので、直ぐに使えて便利ですよね。
でも、スマホ依存も心配になります。できれば、子どもさんのお気に入りのぬいぐるみやおもちゃ、絵本などを持って行くなど、スマホ無しで過ごす工夫をしてみてはどうでしょう?また、出かける前に、キッズルームなど子どもが過ごせる場所を調べてから出来かけると便利です。
それでも飽きちゃう時に、何も用意をしていなくてもできる手遊びも効果的です。手遊びは年齢に合わせて色々あるので、通っている園で今流行っている手遊びを教えてもらうこともいいかもしれません。例えば、「パンダ・ウサギ・コアラ~」や「にっぽんばし~こちょこちょ」、「ずいずいずっころばし」、「グー・チョキ・パーで何作ろう~」など、お母さんも聞き覚えがあるのではないでしょうか。また、「何かな~?」と声かけをして遊ぶと子どもたちは興味津々で乗ってくれるかもしれません。せっかくの待ち時間ですので、お子さんとのスキンシップの時間にしてみるのもいいかもしれないですね。
<質問2>食事に時間がかかる
5歳の女の子の母です。うちの子は、とにかく食べるのが遅いです。時間がかかっても全部食べるため、少食ではないと思います。園でも遅いようです。まもなく小学校へ上がるのに、このままで大丈夫かと心配になり、ついつい「早く食べなさい。」と言ってしまいます。どうしたら早く食べられるようになるでしょうか。
<回答2>
親としては、みんなと同じ時間に食べ終わらないと心配ですよね。文面からすると、栄養が足りてないというわけではなさそうなので、その点ではひと安心です。
食事に時間がかかる原因は、いろいろ考えられます。おなかがすいていないのかもしれません。嫌いな食べ物があるのかもしれません。噛み合わせが悪かったり、歯が生えそろっていなかったりするのかもしれません。もしかすると、体調不良かもしれません。食べることに集中できないのかもしれません。また、咀嚼回数が多いのかもしれません。そもそも、早く食べる必要性を感じていないのかもしれません。こうやってあげただけでもたくさん考えられますね。
おそらく、テレビを消したり、完食できるように少なめに盛ったり、嫌いなものは細かく刻んで料理したりと、様々な努力をされての悩みだと思います。噛み合わせや体調不良等、体に関することが原因でないかどうかをよく見極めた上で、極端な少食でなければ、お母さんの思いを少しだけ変えてみるのも方法かもしれません。
「早く食べなさい。」とイライラしないこと。大人は、今後困ることを見越して、早く食べてほしいと思っていますが、お子さんは、今後のことはまだ見えていません。それよりも、食事の時間を怒られる時間、せかされる時間より、みんなが顔を合わせる楽しい時間にしませんか?
これから先、必要に迫られて(「テレビに間に合わない。」「部活に遅れる。」等)早く食べられるようになる子がほとんどです。また、家では遅いけれど、給食は間に合うというお子さんの話もよく聞きます。
お母さん自身が「この時間でおしまい」「半分食べたらオッケー」とラインを決めて、食べることを楽しみ、一緒に食べること自体を大切にしてはいかがでしょう。こんなにゆったりご飯を食べられるのもあとしばらく。そう考えたら、少しはお母さんの気持ちが楽になるかもしれません。
<質問3>子どもが嘘をつく
小学校3年男子の母親です。宿題が全部終わっていないのに「終わった」と答えたり、ハミガキをしていないのに「した」と言ったり、嘘をつくことが多いです。「嘘はダメ」と何度も注意するのですが、繰り返し嘘をつきます。どのようにすると、嘘をつかなくなりますか。
<回答3>
お子さんに嘘をつかれると、このまま大きくなっても簡単に嘘をつく人になるんじゃないかと心配になりますよね。
お子さんに嘘をつかれた時に、何度も注意をしているということですが、どのように注意していますか。「どうして嘘をつくの!」と厳しく叱っていませんか。お母さんから叱られたくないという思いがお子さんにあれば、それから逃れるために嘘を繰り返すことも考えられます。お子さんの嘘が分かった場合、叱る前に「嘘をつかれると、お母さん悲しいな」というように、お母さんの気持ちを伝えるようにしてみてください。
また、お子さんは宿題をしていなかったり、ハミガキをしていなかったりした時に、正直に言うと「なんでしてないの!」「早くしなさい!」と叱られると思い、とっさに嘘をついてしまったのかもしれません。正直に答えたときには「正直に言ってくれて嬉しいよ」というふうに伝え、「じゃあ、どうしようか」と一緒に考えるようにしてみてはどうでしょうか。お母さんから叱られたくない、叱られるのは怖いという気持ちがなくなれば、正直に答えてくれるようになると思います。1回や2回ですぐに変わらないかもしれませんが、叱る前に「なぜ嘘をついたのか」「どうして嘘をつく必要があったのか」というようなことを頭に入れながら根気強くお子さんの気持ちを聞くようにしてみてください。
<質問4>動画ばかり見たがる
3歳の息子のことです。外出先でおとなしく待っていてもらうために、1歳半頃からタブレットで動画を見せていました。最近は、家にいるときでもタブレットを取り出して、勝手に動画を見ています。隠すと、見つかるまで探したり、大声を出したりします。まさか3歳で依存ということはないとは思うのですが、心配です。やめさせたいです。泣いてもわめいても、見せない方が良いでしょうか。
<回答4>
お母さん、3歳のこの時期に、良く気が付かれましたね。お母さんがこんなふうに思われたことが大きな一歩です。
結論から言うと、お母さんがやめさせたいと思うなら、やめさせるべきです。見せない方が良いです。
おとなしく待っていてもらうためには、とても良い道具だったものが、お子さんが成長するにつれ心配の種になってきたのですね。タブレットは、とても便利な道具で、今やなくてはならないものになってきました。大人は、便利さの裏には、害があることについても少なからず理解していますし、自制心も働いて考えて使います。しかし、大人でさえそこがうまくいかないこともたくさんあります。
さて、お子さんのことについて考えたとき、お母さんは、今、動画ばかり見ることで、何が心配ですか?
熱中して言うことを聞かないことですか?外で遊ばないことですか?視力が悪くなることですか?寝る時間が遅くなることですか?見てほしくないものを見てしまうことですか?
逆に考えてみましょう。動画を見せなければ、お子さんは、言うことを聞きますか?外で遊びますか?視力が良くなりますか?寝る時間が早くなりますか?見てほしくないものを見てしまうことはなくなりますか?
動画を見せなければすべて解決、という問題ではなさそうですよね。「動画を見せない」プラス「何か」が必要となってきます。その「何か」は、「人とのかかわり」だと思います。
過ぎたことを後悔しても始まりません。今後を考えていきましょう。
子どもは、自分で抑制することはなかなかできません。3歳だと、自我が芽生え、抑制されることが気に入らなければ、拒否します。しかし、違う場で発散できることがあれば、抑制されているとは気づかない年齢でもあります。つまり、お母さんがたくさんかかわることで、抑制されているとは感じない方向になるといいですよね。
お母さんと一緒に、公園へ行って砂場で遊んだり、買い物へ行って買う物をかごに入れたり、家でご飯の準備を手伝ったり、空き箱でものを作ったり、下の子の面倒を見たり、洗濯物をたたんだり・・・これらのことは、1歳半ではできなかったかもしれないけれど、3歳ならば、少しはできます。また、お母さんと一緒だったり、お母さんの役に立っていると実感できることでうれしくもなります。完璧にできることが目的ではなく、お母さんと会話したり笑い合ったり、目を合わせたりしながら時間を過ごすことが大切です。
わかってはいてもなかなかできないことでもあります。お母さんにもかなりの覚悟が必要だからです。お子さんと一緒に何かをするということは、自分でするより時間がかかります。他のやるべきことができないことも出てきます。これまでお世話になったタブレットをやめようとするのですから、多少の覚悟は必要です。ただ、一気に進めようとすると親子共々ストレスになりますし、お母さんの許容範囲を超えてしまうようながんばりは逆効果です。そこを踏まえてできることから少しずつ取り組んでみてはいかがでしょう。
「○○ちゃんと遊んでいたら、ご飯の用意が遅くなっちゃった」「この続きは明日でも良い?」「早く帰らないと、お母さん、すごく困る」と、お母さんの困り感も、子どもが理解できる範囲で伝えていきましょう。どうしても難しい場合は、無理矢理中断させることがあっても構いません。そんな日々の中で、「ご飯の用意、手伝ってあげる」「まだ帰らない。でも、これができたら帰る」「抱っこしてくれたら帰る」などの言葉が出てきたら、うれしくないですか?
同じように悩まれ、泣こうがわめこうが、絶対に使わせないと覚悟を決めて取り組まれた3歳の子のお母さんがいらっしゃいました。「そんなに泣かさなくても・・・」という旦那さんの声も振り切って絶対に使わせなかった結果、10日ほどで泣きわめきは治まったそうです。たくさんの楽しいことを見つけたそうです。子どもではなく、お母さんの覚悟の結果であり、この時期だったからうまくいったことだとも言えます。
お母さんがやめさせたいと思っているなら、やめさせる方が良いと思います。完璧にやめさせることが難しいなら、使用時間を今より短くするというように、少しがんばればできそうな目標から取り組みましょう。3歳では、待っていても自分からやめるとは絶対言いません。動くのはお母さんです。
(子どもがタブレットを使用することについては、様々な考えがあります。文献やインターネットでも発信されていますので、ご活用ください。)
<質問5>園での様子が気になる。
3歳で、初めての園生活が始まります。これまで家庭で過ごしてきたため、とまどったり困ったりするのではないかと、気になりだしたらきりがありません。
<回答5>
お子さんにとって初めての園生活。と言うことは、おうちの方にとっても初めてということですね。さぞご心配のことと思います。
初めての場所や人にすぐ慣れる子もいれば、慣れるのに時間がかかる子もいます。特に、後者の場合、子どもが困らないようにしてあげたいと思うのは、当然のことだと思います。しかし、新しい園生活の中で、困らないことが大切なのでしょうか。
困ったときに困っていることを伝えて、助けてもらったり、助けてもらったことがうれしいと感じられたり、そのうち、うれしいと感じたことを友達にしてあげられるようになったりということを経験していく場であると考えると、少しだけ気持ちが楽になりませんか。
また、おうちの方が気になっている点について、園の先生に話してみてはいかがでしょうか。園の先生は、これまで何人もの子どもの様子や成長を見ていらっしゃいます。親としては気になるお子さんの様子が、園の先生から見ると、集団の中で自分を出そうとがんばっていたり、友達に刺激を受けてやってみようとしたりしている姿であると捉えて、見守っていることもあります。
子どもの成長は、個人差があり、日々目に見えて現れる訳ではないため、おうちの方が心配になることもあるかもしれません。園の先生方と連携しながら、一緒に考えたり喜び合ったりして、子どもを見守っていきましょう。
<質問6>言い訳をする
4歳の我が子なのですが、最近、必ず言い訳をします。片づけていないので注意すると、「だって、~だったから」とか、忘れ物をすると「お母さん(先生)が言ってくれなかったから」と、自分が悪くてもそうでなくても言い訳から始まります。叱るつもりはなくても、言い訳が始まるとついつい叱ってしまいます。
<回答6>
大人でも、仕事や家庭で自分に非があると分かっていても言い訳することがありますよね。なぜ言い訳をするのでしょうか?良く思われたいとか、嫌われたくないということが根底にあるのではないでしょうか?これは子どもにも当てはまります。お母さんに嫌われたくないから、悪い子だと思われたくないから、ついつい言い訳して逃れようとしてしまうのでしょうね。かといって、そのままにしておいたら、言い訳が癖になってしまうのも心配ですね。
お母さんは、言い訳せずにどうなってほしいのでしょう。素直に自分が悪かったと認められる子になってほしいのでしょうか?とても難しいですよね。片づけていない、忘れ物をしたということを困ったこととして捉えるのではなく、この次どうしたらよいのかを一緒に考える機会と捉えるとどうでしょう。次のことを考えるには、振り返る必要が出てきます。振り返るということは、今あった出来事を認めることになります。出来事全てが問題なのではなく、おそらく、何か1点、ちょっとしたことが原因になっていることだと思います。だからこそ、その部分に子ども自身が気付いて、今度はこうしようと思うことが大切ではないでしょうか。片づけていないならば、「何で片づけてないの?」ではなく、「どうしたら片づけられたのかな?」と問いかけることで、「テレビを見なかったら良かった」とか、「一人で片づけるのが面倒だったからお母さんに手伝ってって言えば良かった」とか、1点に気づけるかもしれませんね。
<質問7>自分でやるといって聞かない。
自分のことができるようになってきたら、大人のやっていることを見て、自分でやりたいといって聞きません。させてやりたい気持ちはあるのですが、こちらの都合もあるので、ついついだめという言葉が多くなってしまうのですが、どんなふうに接したらよいですか。
<回答7>
「自分でやる」ということは、自信がついてきた証拠ですね。でも、残念ながら、親が「自分でしてほしい」と思うことと、子どもが「自分でやりたい」と思うことが一致していないのが常です。子どもがやりたいと思う気持ちを100%かなえてあげられたらどんなにすてきでしょう。でも、世の中には、危険もあれば、他の人の存在もあります。やりたい気持ちと、周りの状況をつないであげることが必要となってきます。
命に関わることと他の人への迷惑になることは、どなたも「No」と伝えるでしょう。そうでない場合について考えてみましょう。
大人へのあこがれの気持ちがあるから「やりたい」という気持ちが芽生えます。だから、時間や状況が許すときには、ぜひさせてあげてください。この時の「できた」という体験が、自己肯定感につながります。また、「今日はできない」という状況の時に「我慢しよう」と思う気持ちにつながります。すぐには納得できなくても、「今日は~だから、させてあげられない」ときちんと伝えることを繰り返すことで、どんな状況ならできるのかということがしだいにわかってくるようになるでしょうね。
<質問8>習いごとをさせようかどうか迷っています
近所の方と話をしていたら、3歳児のお友達が習い事に週3回も行っていることがわかりました。夫に相談したら、「そんなに早く詰め込んでもだめだろう」と言います。祖父母の意見では「じっとして辛抱するくせがつくのでは?」と言われます。どうすればよいか迷っています。
<回答8>
周囲のお友達がたくさんの習い事をしていると聞くと、ちょっと焦りますよね。
文部科学省の家庭教育手帳 乳幼児編「ドキドキ子育て」には、「早過ぎたるは及ばざるがごとし」という項目があり、子どもの個性に応じてじっくり時間をかけて育てる大切さについて書かれています。「~早くから勉強をさせられた子どもが小・中学校の段階で疲れてしまうことが少なくありません。他の子どもとの比較に目を奪われたり、早く成果を上げようとイラだったりする家庭の雰囲気も、子どもの心の成長をゆがめかねません。また、幼児期に大切な遊びやさまざまな体験の機会を減らすことにもなります。」
習い事の量や考え方にはバランスが必要です。お子さんをみつめ、その個性に応じてじっくり時間をかけて育てたいものです。親子で楽しむ様々な体験が、夢を育てることにつながり、お子さんが夢や希望について話をしてきたら、十分に耳を傾け、励ましたり、一緒に楽しんだりしていけるといいですね。
文部科学省の家庭教育手帳 乳幼児編「ドキドキ子育て」
<質問9>夜寝るのが遅い
我が子(2歳児)は夜なかなか寝ません。仕事で遅くなっても子どもとのふれ合いを大切にしたいので、親子3人で夜遊んだり、お風呂に入ったりして、毎日寝るのが10時過ぎになってしまいます。遅寝で大丈夫でしょうか?
<回答9>
生活リズムが子どもに与える影響について、専門家の鈴木みゆき先生(和洋女子大学)に乳幼児期の睡眠の大切さについてお聞きしました。
「睡眠不足は体力だけでなく、気力や意欲にも影響します。私たち人間はおよそ一日の時間の中でリズムを持って生活しています。ホルモンの中には、暗くなると分泌されて眠りを誘い、真夜中にたくさん分泌されるリズムを持つものがあります。この「メラトニン」というホルモンは、細胞を守る働きや、思春期まで第二次性徴が始まるのを押さえる作用を持っている大切なホルモンですが、とくに幼児期に最も多く分泌されます。心と体のバランスをとって大人になるためにも、夜はぐっすり寝ないといけないのです。ふれあいは大切ですが、大人の時間に子供を付き合わせると子供の生活リズムが乱れてしまいます。子供の発達のために大切なことを考えると、やはり夜は早く寝かせましょう」
落ち着きがない、じっくり集中できない、元気がない・・・など、子どもの気になる行動と睡眠がつながっているのです。
大人の生活に子どもを合わせるのでなく、朝の過ごし方を家族で見直してみましょう。
<質問10>思いやりのある子どもに育てたい
テレビで中学生・高校生の事件が報道され、もっと小さいときから人とのかかわりや心を育てることの大切さを感じます。4歳の我が子にも、友達に対して思いやりのある子になってほしいと思うのですが、どうかかわるといいでしょう?
<回答10>
思いやりのある優しい子に育てたい・・・大切な願いですね。
子どもの心は、大人が「優しくしなさい」「なかよくしなさい」と毎日繰り返し言い聞かせても育ちません。大人の表情や反応を見ておとなしくすることが、優しさや思いやりの育ちではないからです。
まずは、安心して過ごし、自分を受け入れてもらった経験や、誰かと一緒にいることが心地よいと感じる経験を重ねることがベースになります。どうぞご家族いっしょの何気ないゆったりした時間を大切にしてください。一緒にお風呂に入っているときや、寝る前のひとときなど、そばにいる安心できる人に自分の気持ちを聞いてもらうことで、お子さんも自分の思いを話せるようになります。
そして、友達とかかわるときには、ずれがあって当たり前と思ってください。それでも一緒に遊びたくて何とか自分の気持ちを調整しようとしたり、折り合いをつけたりしようとする・・・そんな経験が大切なのです。お父さんやお母さんがそうだったように、友達との小さないざこざから学んでいくのです。
<質問11>駄々をこねたり長泣きしたりする
3歳の一人息子がひどく駄々をこねたり無理なことを言ったりします。泣き出すと、長い時間大声で泣き続けます。共働きで、祖父母も離れていて、保育園に長時間預けているから寂しいのかと思うのですが、毎日の子育てと仕事の両立で私自身疲れぎみです。
<回答11>
福井県は共働き率日本一。お母さんと同じように悩まれている方が大勢いらっしゃいます。疲れと時間のなさで、ついつい叱ってしまい、じっくりふれ合う時間もない・・これではいけないと思って、何だか親としての自信も持てない・・・なかなか元気が出ませんよね。
4月からスタートする「子ども子育て新制度」では、あらためて子育て支援の大切さがクローズアップされています。本当の意味での子育て支援とは、単に経済的な支援だけではなく、親が心から子どもの成長を喜ぶことができるように、みんなで支え合うことだといえるのではないでしょうか。福井県幼児教育支援センターでは、園に出かけ、出前家庭教育講座として保護者同士の座談会を行っています。「他の家でも同じように悩んでいるんだ」と共感して安心したり、ちょっとした我が家の工夫を伝え合ったりして、他のお母さんとの何気ないおしゃべりにヒントがたくさんありますよ。
自分一人で抱え込まないで、みんなに相談、みんなで協力していきましょう。そして、我が子とちょっとした時間を一緒に楽しみましょう。一緒にお風呂に入ったり、絵本を読んだり、アルバムを引っ張り出して懐かしんだり・・・無理せずにできる「ふれ合い」が、お子さんにもお母さんにもいいエネルギーをくれますよ。
<質問12>おじいちゃん・おばあちゃんが甘やかしてしまう
2歳の長男をおじいちゃん・おばあちゃんがとても可愛がってくれています。ただ、会いにいく度に、子どもの好きな電車のおもちゃなどをたくさん買い与えてしまいます。親の私たちは、「我慢する」ことも少しずつ教えたいと思っています。どうすればいいでしょう?
<回答12>
おじいちゃん・おばあちゃんの「可愛い孫の喜ぶ顔を見たい」というお気持ちもわかるので、どうすればいいか悩まれますよね。例えば、「モノを数多く与えることよりも、おじいちゃん・おばあちゃんがあたたかくかかわってくださることが有り難いんだ」というご両親の気持ちを伝えるのもよいでしょう。また、子育て・孫育てに関して、例えば"ありがとうが言える"など「これだけは誰がかかわっても大切にしよう」という大事なことを話し合って、共通理解しておくのもいいですね。ただし、すべてを統一しすぎると、お子さんが息苦しくて逃げ場がなくなってしまうかもしれませんので、バランスをとっていけるように、家族間や世代間のコミュニケーションが必要ですね。
親と祖父母では役割やかかわり方が違うのは、自然なことです。子どもは、いろいろな大人とかかわり、異なる考えを持つ相手に対応する社会性も学んでいくのでしょう。祖父母の方の経験が、子育ての知恵としてとても参考になることがたくさんあります。みんなで一緒に子育てしていくことのできる関係をつくっていくことが、お子さんのために大切なことですね。
<質問13>就学時健康診断は、どんなことをするの?
長男・保護者宛に、小学校の就学時健康診断の通知が来ました。はじめてなので、「どんなことをするのか」「家庭で何か準備する必要があるのか」「保護者も一緒に小学校に行かなければいけないのか」などがうまく分からずに、ちょっと心配しています。
<回答13>
「就学時健康診断」とは、毎年11月頃、翌春に小学校への入学が予定されているすべてのお子さん対象に行われるものです。日程や会場等の通知は、毎年10月中旬頃に各市町から出されます。内科検診、歯科検診、視力検査、聴力検査、知能検査などがありますが、お子さんは、小学生のお兄さん、お姉さんが、順番に検査会場(各教室)に連れて行ってくれます。保護者の方は、別会場で、小学校の先生からお話があり、準備物などの具体的なことも話題にされますので、分からないことがありましたら、その時に質問されてもいいでしょう。
時間に余裕を持って、親子で小学校までの通学路を歩いてみるのも、大切なことです。入学までに何度か親子で地域を歩きながら、探検をされることをおすすめします。「キンモクセイの木があるよ」「ここは車がたくさん通っているね」「自分で家まで帰れるかな」など、お子さんと一緒に小学校の入学をイメージして散歩してみてください。そして、保護者の方は、「交通事故に遭わないように安全に歩けるか」「トイレや困ったことがあったときに駆け込める場所があるか」なども具体的に考えてみましょう。大切なことは、お子さんが不安にならないように、小学校に入学する期待をふくらませてあげることですね。
<質問14>先輩の体験談が知りたい
6歳までの子育てについて、先輩の保護者の方の体験談を参考にしたいと思っても、なかなか聞く機会がありません。インターネットなどで先輩の保護者の体験談などを知ることができるサイトはありますか。
<回答14>
はい。福井県幼児教育支援センターが制作した「ふくいのママパパ体験談」は、6歳までの子育てについて、年齢別やテーマ別に知ることができます。参考になさってください。
<質問15>子育ての話し合いに使える資料
ママ友同士で集まると、子育てについての愚痴ばかりになってしまいます。今度、テーマを決めて、しっかりと話し合おうということになったのですが、そのときに使える何かよい資料ってありますか。
<回答15>
はい。トイレや歯磨き、睡眠時間や食事の好き嫌いなど、「みんなの家ではどうしてる?」と聞きたいことも多いですよね。福井県幼児教育支援センターが制作した「家庭教育支援ワークシート集 ~本音トークで気づき合おう~」は、6歳までの子育てについて、保護者同士の情報交換や気づきに役立つワークシートとなっています。ぜひ保護者同士の話し合いの際にお気軽にご活用ください。
<質問16>偏食について
1歳です。娘の偏食に悩んでいます。離乳食の時には、喜んで食べていたのに、この頃は、好き嫌いをしてあまり食べてくれません。成長によくないのではないかと心配です。どうしたらよいでしょうか。
<回答16>
確かに、多くの保護者の方が「子どもの少食や偏食」のことで悩んでおられるようです。偏食にも年齢によって原因と対応の仕方が異なるようですが、ここでは、離乳がすすんだ1歳のころを考えてみましょう。このころの好き嫌いは、離乳食を「ただ食べていた」段階から「味が分かるようになった」ことからおきてくるといわれています。ですから、発達の観点から言えば、正常で大事なことといえるでしょう。とはいえ、何とかバランスよく食べさせたいですよね。具体的な偏食への対応としては、まず、同じ時間に食事とおやつをとることです。生活リズムは大事です。そうすれば、次の食事の頃にはおなかが空いてきます。おなかが空いていれば何でも食べますが、おなかが空いていないと好きなものしか食べないのは、大人でも同じでしょう。次に、子どもの興味を引くように、切り方や盛りつけ方を工夫することも効果的でしょう。あるいは、切り刻んで好きなものに混ぜ込むなども多くの保護者の方が試みられているようです。また、別にお皿を用意して、小量ずつ盛りつけながら、「お皿がきれいになって喜んでいるよ。」、「食べられたね、よかったね。」と褒めながら達成感を味あわせるなどの方法もあります。それから、周りの大人がおいしそうに食べるのもよいでしょう。「1週間単位くらいで、食事の量とバランスがとれていれば大丈夫」くらいの気持ちでいる方が、イライラせずに、ゆったりとお子さんに接することができるのではないでしょうか。
<質問17>一人遊びが多い
保育園の年中(4ー5歳)です。一人遊びが多いと園の先生から言われました。どうしたらよいでしょうか?
<回答17>
ご心配ですね。年少(3-4歳)のお子さんの保護者の方が、気になさることもあるようですが、年少(3-4歳)の頃ですと、1人で遊ぶことが多いのが普通といえますので、ご心配には及ばないでしょう。年中(4ー5歳)の頃になると、徐々に友達との遊びが多くなってくる時期だといえます。ピアジェという心理学者は、4才頃からを境にして、一人遊びから仲間とのごっこ遊びに移行していくと言っていますが、中には一人遊びの中で、二役をしながら、自分の世界に入って、想像力を高めているお子さんもいますし、個人差は大きいようですね。3歳児検診などで、コミュニケーションについての指摘を受けていなければ、必要以上に心配なさらなくてもよいでしょう。園の先生が、「お子さんが友達からの誘いにいつも全く反応しないなどの意味で気になる」と言われている場合もありますので、園の先生と話し合って確認されることをお勧めします。また、その上で、必要に応じて専門機関に診てもらうこともよいでしょう。
<質問18>つい子どもに当たる
3歳です。私自身がイライラして、つい子どもに当たってしまいます。どうしたらよいのでしょうか?
<回答18>
「だめだとは思うけど、ついやってしまう」というお気持ちの保護者の方は、とても多いようです。いくつかの考え方をご提案します。 「グチを言える相手を見つける」・・・大事ですね。同じ悩みを持つママ友でもよいでしょう。誰にも言えないというのは辛いですよね。人は話を聴いてもらえることが、次にがんばれるエネルギーの第一歩です。一番聴いてもらえるとうれしいのは、やはり配偶者(夫、妻)と言えるでしょう。ためこまないことが大事でしょうね。 「困ったときは、関わる人を増やせ」・・・これは、子育てに限りません。「何もかも自分でやらなくては」とがんばりすぎているのかもしれません。配偶者(夫、妻)、祖父母、場合によっては近所や親戚に助けてもらいましょう。 「子育てに"こうあるべき"は存在しない」・・・子育てに正解はありません。心理学にはこんな言葉があります。「うまくいかなかったらやり方を変えましょう。うまくいっていることは続けましょう」"こうあるべき"にこだわると、うまくいかないことを繰り返しやり続けてしまうのかもしれませんね。
<質問19>上手な叱り方
4歳です。怒ってもその場はしゅんとしますが、また同じことをします。上手な怒り方を教えてほしいです。
<回答19>
困りましたね。まず「怒る」ということを考えてみましょう。「怒る」のは感情的になっている時が多いですよね。お子さんが言うことを聞かなくて「腹が立つので、カッとなって」怒るという場面はよくあります。気持ちはよく分かります。怒っている保護者の方は怖いので、その場では静かにするかもしれませんが、「なぜその行為がまずかったのか」については、お子さんは知らないままかもしれません。 人間のことですから、感情が高ぶるのは自然なことだといえます。ただ、その感情に振り回されてしまうと、さらに感情が高ぶってしまうこともよくありますよね。「どうしてあなたはいつもそうなの」と感情的に怒ると、お子さんが「僕はいつも悪い子なんだ」と思ってしまう可能性があります。「カッ」となった気持ちは、深呼吸や遠くを見るなどすると、実は意外とすぐに収まります。その上で、「あなたは大好きだけど、この行為はいけないことなのよ。」と人格ではなく、行為を、「怒る」のではなく「叱る」こと、そして「なぜそれがいけないことなのか」を保護者の言葉で伝えることが、お子さんの自尊心を守りつつ、いけないということを学ぶことに有効であるといえるのではないでしょうか。
<質問20>乱暴な子
5歳です。園の友達がうちの子に乱暴するようですが、相手の保護者に言いにくいです。どうしたらよいでしょうか?
<回答20>
困りましたね。「親御さんに言うと角が立つし、今後のつきあいもあるから」と言いたいことを我慢するのは辛いですよね。「乱暴する」とは、具体的にどのようなことをされるのでしょうか。対人関係の力はトラブルを経験しながら身につけていくものですが、あまりに一方的な場合には、お子さんの心がとても傷ついてしまうこともあります。我慢して「何も言わない」という選択もありますが、「自分の気持ちを相手に伝える」こともできると思います。ただし、相手の気持ちも大切にした言い方だと、角が立たないかもしれません。もしかすると、相手の保護者も、お子さんの状況はよく分かっているけれど、どうしてよいかわからないのかもしれません。そんな時には、相手の気持ちも察しつつ、「でも私も心配なの」と自分の気持ちを伝え、「でも"乱暴する"ってどんな程度なのかを確認するとよいと思うの」と憶測や推測を避けながら、場合によっては、園の先生にも話し合いに入っていただきつつ、今後のアイディアを考えていくのも方法の1つかもしれませんね。
<質問21>嘘をつく癖
4歳です。嘘をつく癖があり困っています。どうしたらよいでしょうか?
<回答21>
嘘をつく心理には、いくつかの可能性がありますが、ここでは「注目を惹くための行動」として考えてみましょう。昔話にある「オオカミが来た!」と叫んで、村人の注目を集める少年の心理です。昔話では、本当にオオカミが来た時には誰も信用してもらえずに食べられてしまうということのようですが、お子さんが誰からも信用されなくなってしまうのは困りますよね。人の行動には、必ず理由があります。自分で気がついていない場合もあります。お子さんの場合「嘘をつく」ことで「保護者に注目してもらえる」というよい点があるのかもしれません。だとしたら、「嘘をつく」以外の望ましい行動で「注目をひく」こと、例えば「褒められるような行動をとる」ことを覚えていくと、「嘘をつく」という行動が減っていくかもしれません。「すでに十分褒めていると思うけど」「褒めることなんてない」などといろいろ思われるかもしれませんが、「できて当たり前」ではなく「~ができて、うれしいよ」などと保護者の方の気持ちを伝えるようにしてあげてみられてはいかがでしょうか。
<質問22>兄弟ゲンカ
3歳と5歳の男兄弟ですがケンカが絶えません。兄弟ゲンカをやめさせるよい方法を教えてください。
<回答22>
困りましたね。保護者の方が疲れていると、イライラすることでしょう。きっかけは欲しいものの奪い合いだったり、遊びのつもりがエスカレートしたりなど、いろいろです。2歳差ですとライバル心も旺盛でしょうから、ある意味ケンカは起きて当然かもしれません。ではケンカをやめさせるにはどうすればよいか?ここでは、「ケンカが起きていない状態」「仲良くしている状態」に着目した方法を考えてみましょう。「ケンカが絶えません」とありますが、必ず例外はあるものです。仲良くしている時を見つけたら、2人に向かって、保護者の方の「うれしい」気持ちを伝えましょう。お子さんは、保護者の方に注目されたいと願っています。適切な行動をとっているところを見逃さずに褒めましょう。一気にケンカがゼロにはならないかもしれませんが、「こうすれば認められる」という思いから、仲良くしている場面が増えていくかもしれません。そうしたら、「うまくいっていることは続けよう」という言葉もありますので、この方法を続けてみて下さい。
<質問23>ことばの遅れ
3歳です。ことばが遅くて心配です。どうしたらよいでしょうか?
<回答23>
ご心配ですね。園の先生や検診などで言われたとすると、なおさら心配になりますよね。ただし、2-3才の頃の言葉の発達には個人差が大変大きいといわれていることは、まず、理解されておくとよいでしょう。その上で、専門機関での受診をお勧めいたします。耳の機能やその他の発達あるいはコミュニケーションの取り方の特徴などについて総合的に診てもらえるので、受診せずに不安を募らせるよりも安心できるように思います。
<質問24>ほめるところがない
保育園で「ほめてあげてください」といわれますが、ほめることが見つかりません。どんなことをほめるといいのですか?
<回答24>
そうですね。人には必ず「できていること」と「できていないこと」があります。保育園に通うお子さんですから、100メートルを10秒で走ることができなくても気にはならないでしょう。もしかすると「このくらいはできるはず」「もっとできるはず」「他の子よりできてほしい」などのお気持ちが「できていないこと」に目を向けさせてしまう可能性につながっているのかもしれませんね。お子さんに「もっとできることが増えてほしい」と思うのは自然なことです。そこで、「どんな高い目標も、小さなステップに分ければ達成できる」という言葉をご紹介します。目標達成のためには、小さなステップを設定して「できたことを認めていく」ことが有効であるといわれているのです。「できていること」と「できていないこと」の間には、「誰かの助けを借りるとできること」があります。そこが小さなステップの見つけ方のヒントとなることでしょう。最後に県内小学校に勤務されている岩堀美雪先生から教えていただいた最高のほめ言葉を紹介しましょう。「あなたの一番いいところは、あなたが私の子どもというところです。生まれてきてくれてありがとう。」
<質問25>不器用
保育園の年中(4ー5歳)です。極端に不器用ではさみが上手に使えません。どうしたら上手に使えるようになりますか?
<回答25>
ご心配ですね。まずは、発達には個人差が大きいということをご理解下さい。そのうち、自然にできるようになることも多いです。ご質問の場合は、「極端に不器用」ということですので、やはり気になることと思われます。はさみ以外にも、縄跳びやボール投げなども苦手でしょうか。こういうような複数の動作を組み合わせた運動がうまくできないお子さんはいらっしゃいます。このようなお子さんにとって、うまく使えるようになるために何回も繰り返し練習させることは、効果的ではないといわれています。保護者の方が、利き手ではない手で箸を使って、食事を楽しめないようなものかもしれません。補助線を引いたり、ゆっくり丁寧にやり方を教えたりしていきながら、できていることを増やしていき、苦手意識を減らしていくやり方が有効であるといわれています。いずれにしても、筋肉や神経の問題なども含めて、専門機関にご相談なさることをお勧めします。
<質問26>人見知り
5歳女子(幼稚園)です。人見知りが激しく小学校に入ってうまくやっていけるか心配です。どうしたらよいでしょうか?
<回答26>
保護者の方が、誰も知らない集会などに出なくてはならない場合を想像してみて下さい。不安と緊張、場合によっては恥ずかしさなどのお気持ちを持つことでしょう。大人なら、後ろに座って目立たないようにするなどの対処法を知っていますが、5才のお子さんだと保護者の後ろに隠れたり、場合によっては泣き出すなどの方法をとることがありますよね。幼稚園にはもう慣れたのでしょうか。幼稚園での生活は大丈夫で、知らない大人に対しての人見知りであれば、そんなにご心配なさらなくてもよいでしょう。不安から自分を守るための自然な反応ともいえますので。また、幼稚園でも人見知りをして一人遊びが多いようだとしても、保護者の方が不安で、きつく叱ったりして直させようとするのは、逆効果のことが多いようです。まずはおおらかな気持ちで見守りながら、園の先生と園での様子を十分話し合ってみて下さい。
<質問27>登園渋り
今年から幼稚園に通う4歳です。連れて行くと泣き出していやがります。どうしたらよいでしょうか?
<回答27>
人見知りのところでも書きましたが、人は不安を低めるために自分を守る行動をとります。もし、幼稚園に通い始めの登園渋りであるのなら、大好きな保護者と離ればなれになることが不安である可能性が高いです。1ヶ月もすれば、慣れてきて元気に遊んでいることも多いようです。次に、入園直後は大丈夫だったのに、しばらくしてから渋りだしたという場合を考えてみましょう。この場合は、慣れない環境である程度がんばった結果、疲れてしまったという可能性が考えられます。園でお子さんが楽しんで活動しているのであれば、疲れも感じにくいのですが、そうでない場合には、疲れを感じやすいといえるでしょう。このタイプのお子さんは、甘えるのが上手ではないのかもしれません。そうであれば、家で十分に甘えさせてやることも方法の1つだといえるでしょう。他にも夏休み明けなどに登園を渋るという場合もあり、登園渋りの背景は、いろいろな事情が絡まっていることが多いようです。まずは園の先生とご相談下さい。
<質問28>落ち着きがない
3歳女子です。幼稚園(入園1ヶ月)でママ友から「落ち着いて座っていられないみたいよ」と言われました。何か病的なところがあるのでしょうか?
<回答28>
ご心配ですね。あるいは、入園1ヶ月とありますから、「そのくらいで決めつけないで」とご不満に思われているかもしれませんね。幼稚園のことですから、何か活動をしているときに10-20分程度座っていることが求められているのだと想像します。3歳といっても、生まれた月やいろいろなことで、発達の個人差は大きいものですから、できる子とできない子もいて当たり前だと思われます。実際に集団生活が始まったばかりなので、「まだまだ練習中」といえるのではないでしょうか。ママ友の情報は気になるところですが、この手の情報には、推測や誇張、過度な断定が多く含まれていることが、よくありますよね。経験の多い園の先生が、この時期に断定的なことを伝えるとは考えにくいですし、気になる点があれば、もうしばらくしてからご相談があるかもしれません。いずれにしても、ご不安でしょうから、まずは、園の先生にお子さんの状況を正確にお聞きになることをお勧めします。
<質問29>夜泣きがひどい
2歳です。夜泣きがひどいです。どうしたらよいでしょうか?
<回答29>
困りましたね。保護者の方もお疲れでしょう。1歳半ほどで収まることが多いといわれていますが、2歳の夜泣きも珍しいことではないようです。いくつかの原因と予防について考えてみましょう。まずは、正常な生活リズムについてです。目覚めの時刻(6-8時)、昼寝の時刻(13-14時)、就寝時刻(20-21時)、総睡眠時間(10時間ほど)をチェックしてみて下さい。寝付きがよいように明るいところで散歩や遊びも取り入れてみて下さい。夜は睡眠を妨げる音や振動や光に気をつけましょう。次に、この頃になると昼間の出来事が睡眠にも影響してくるようです。嫌な出来事があったりすると、思い出したりして夜泣きになることあるようです。この頃のお子さんを取り巻く環境は、家族や近所内で完結することが多く、中でもお子さんにとっての一番重要な他者=保護者との関わりが、体験のポジティブさ、ネガティブさを感じ取る大きな要素となっているようです。お子さんへの温かいまなざし、微笑みかけ、よくかまってあげることなどは、必ずポジティブな体験として残りますので、夜泣きに有効であるといえるでしょう。
<質問30>自閉の疑い
5歳男子です。よくしゃべり、言葉の覚えや記憶力もいいのに、園の先生から「自閉」の疑いを言われました。どういうことでしょうか?
<回答30>
ご質問から想像しますと、保護者の方はお子さんの発達について、特に気になるようなところが少なく、それなのに「自閉」と言われて、びっくりされているように思います。もしかすると、保護者の方には気にならない点が、園の先生からは気がかりな点として映っているのかもしれませんね。園の先生も「よくしゃべり、言葉の覚えや記憶力もよい」ことは理解しているでしょうから、「友達と遊ぶ」などのコミュニケーションの点が気になるのかもしれません。いずれにしても、まずは園の先生とお話になるとよいでしょう。園の先生は、ご家庭での様子をご存じないでしょうから、園での様子と家での様子を合わせて、考えていくことをお勧めします。その上で、気になるところがあるようであれば、そのままではご不安でしょうから、専門の機関で診てもらうのがよいでしょう。
<質問31>乱暴をなおすには
3歳男子です。乱暴でお友達をたたいたり、かんだりします。どうしたらよいでしょうか?
<回答31>
困りましたね。人は、「誰かと関わりたい」という欲求を持っています。中には、保護者の方のまねをして、人への関わり方を学んでしまった場合もあるようですが、この場合は、そうではないとして、お子さんの気持ちを考えてみましょう。1つには、友達と遊びたいけど、「どうやったら,友達になれるの」と不安になっている気持ちが裏返しのように、たたいたりする行動になって現れている可能性があります。本来はナイーブなお子さんであるかもしれませんね。しばらくは、保護者の方が付き添って、安心できる場所を作ってあげるようにしてみて下さい。不安だからといって暴力が許されるわけではないので、暴力的になった場合には、すぐにやめさせて下さいね。「謝る」ことも大事なのですが、「またやってしまった」という自己嫌悪感や「どうするといいかわからない」という不安など、いろいろ考えられますので、お子さんの気持ちを聴きながら、粘り強く話してきかせていくのがよいでしょう。