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13-15歳(学習・進路編)
<学習について>
<質問1>受験生の夏休みの過ごし方
中学校3年生です。高校受験を考えています。受験生の夏休みの過ごし方について教えてください。
<回答1>
中学校3年生のみなさんにとって、これから迎える夏休みは中学生最後の夏休みとなりますね。受験生にとっては、1,2年生の時の夏休みとは意識も少し変わりますよね。秋以降には具体的な進路決定をする時期となり、進路実現に向けて夏休みを有意義に過ごしたいと考える3年生は多いでしょう。3年生の夏休みとなると、部活動やクラブチームに所属していると夏の最後の大会で引退する時期を迎え、部活動があった生活と比べて自由時間が多くなる人もいたり、コンクールの出場や秋の学校行事等の準備に最高学年として役割を担うなど忙しくなる人もいたりと、人によって休みの過ごし方が様々になります。自分の夏休みがどんな感じになるのかをイメージしながら以下の4つを参考にしてみてください。
①学習面において短期・長期目標を立てる
進路実現に向けて目標を立てることは大切ですが、「頑張る」や「勉強する」といった曖昧な内容では言葉だけでの目標になりがちです。自分は学習面でどうなりたいのかという理想をイメージし、それを長期的な目標とします。また、その目標を達成するためには、いつまでに何をどの程度達成していればよいのかと逆算して考え、いくつかの短期目標を設定します。さらに短期目標に近づくためには何をすればよいのかを具体的に書き出すことで行動に起こしやすくなります。行動リストを見える所に貼っておくとモチベーションUPにもなります。
②自分の時間割やカレンダーを作る
平日だけでも自分の時間割を作成すると良いでしょう。課題や学習に取り組む時間を決め、学校生活となるべく同じように10分間休憩を入れながら進めていくと集中力も高まります。継続していくためにはあまり無理のない範囲で作ることが大切です。また、夏休みにしか経験できないイベントや行事等が入ることもあります。あらかじめカレンダーや計画表に書き込むことで限られた時間でどのように取り組めば良いのか見通しもつきます。
③学習環境を整える
家庭学習を充実させるためにどのような環境だと集中して取り組めるかを考えることが必要です。気が散りやすい物があれば目に入らないように工夫をしたり、学校でのプリントやテキストが山積みであれば復習に使えそうかどうかを考えながら段ボールや箱に分けて整理をしたりするのもいいでしょう。時間のある夏休みに自分にあった学習環境を見いだすことで、夏休み以降の家庭学習にも気持ちが入りやすくなるでしょう。
④各高校のオープンスクールに積極的に参加する
夏休みには県内の多くの高校がオープンスクールや体験入学を実施しています。希望する進路が決まっている人もそうでない人も、積極的に情報を収集すると良いでしょう。参加することで高校の特色はもちろんのこと、資料だけでは分からない高校の雰囲気が知れたり、通学手段や自宅からの通学時間なども把握することができ、自分の高校生活をイメージしやすくなるでしょう。今後の進路選択をする時にも大いに役立ちます。まずは自分の目でしっかりと確かめることをお勧めします。
4つを紹介しましたが、まずは自分ができそうなものから始めてみると良いでしょう。充実した夏休みになるといいですね。
<質問2>苦手な英語をどうやって勉強したらよいか
中学校2年生です。英語の勉強の仕方が分からず、英語が苦手です。どうやって英語を勉強したらよいですか。教えてください。
<回答2>
まずは、英語に触れる時間をつくること、英語に対する抵抗感をなくすことが大事です。英語を勉強しなければならないと思うと身構えてしまうことがあります。だから、英語を自然に楽しむという観点から洋楽を歌ってみることはいかがでしょうか。洋楽の歌詞カードを見たり、日本語訳を確認しながら歌ってみたりすると、歌詞の内容が分かるだけではなく、英語の音と音のつながりやアクセントなどが自然と身につき、なんとなく歌詞が読めるようになってきます。また、リスニング能力や発音も向上するでしょう。特に、ビードルズの歌は、中学校で習う文法事項がたくさん入っているのでおすすめなのですが、テイラー・スウィフトやジャスティン・ビーバーなどの最新ヒット曲や自分が好きなジャンルの歌を歌ってみるのもいいかもしれません。町中で何気なく聞こえてくる洋楽を口ずさめるようになれば、超です!
歌詞を見ながら歌うことによって英語を発音することに抵抗感がなくなってきたら今度は教科書を暗唱するくらい音読しましょう。新出単語や熟語は、それらを扱っている文の中で音読しながら覚えてください。また、教科書の暗唱は基本的な文法構造を理解することにも役立つでしょう。実は、先生方は定期テストで、教科書の本文に関連したテーマで、本文に載っていた表現を使いながらオリジナルの長文を作成していることが多いです。教科書を音読しながら内容が理解できるようになればテーマに即した背景知識を身に付けているも同然です。定期テスト等で初めて見る長文の内容もおよそ推測がつき、長文読解が楽に感じられます。つまり、教科書の内容を覚えるまで音読することが大事なのです。
では、どのように音読をしたらよいのでしょうか。日頃の授業と家庭学習の積み重ねが大切です。
ALTや教科担任の後について本文に書かれている文字を指で追いながら読んだり、授業中にALTや教科担任が生徒たちに語りかける生きた英語や、人の先生が交わす会話を聞いて、すぐに自分でつぶやくなどをしたりして、生きた英語を聞いたら自ら発することが大事です。家庭学習では、その日に習った内容を最低5回は音読したり、翌日の学習内容を音読したりして発音の仕方や意味が分からない表現など見つけ、課題意識を持って翌日の授業に臨みましょう。
音読に自信がついてきたら、新出単語や熟語が現れている文や基本文を英語で書けるようにしてください。余裕があれば、ワークブックや過去問の問題に取り組んで出題傾向に慣れるとよいでしょう。語学学習は「やったもの勝ち」です。継続していくことが大事です。まずは、楽しみながら英語に触れる機会を多くしてくださいね。
<質問3>勉強と部活動の両立がうまくできていません
中学2年生の保護者です。勉強と部活動の両立がうまくできていません。どうしたらよいでしょう。
<回答3>
どのお子さんも程度の違いはあれ、「勉強と部活動の両立ができない」と悩むのではないでしょうか。部活動に熱心に取り組み、疲れて日々の家庭学習がはかどらないお子さんの姿を見て心配になる保護者の方も少なくないと思います。「部活をやめれば...」と思われる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。しかし、単純に部活動をやめれば問題が解決するわけではありません。部活をあきらめることで後悔の念が大きくなったり、余裕がありすぎて時間を効率よく使うことできなくなったりすることがあります。やはり、勉強と部活動とを両立していく中で、苦しみながらも自分なりの方法を見つけていくことが、お子様の成長につながるといえるでしょう。
いくつか両立のポイントを紹介します。
○食事と睡眠をしっかりとらせましょう。
(疲れをとって、基本となる学校生活を元気に過ごさせます。)
○両立でがんばっていること、苦しいことなどを聞いてあげましょう。
(親に認められることで、やる気につながります。)
○結果が出なくても、ほめてあげましょう。
(両方がんばっていることに価値があることを親子で認め合う。)
○効率よく時間を使うスキルをアドバイスしましょう。
リストアップ法 ... やるべきことを書き上げておく
付せん法 ... やることを付せんに書いて、スケジュール帳に貼る。
やったら、取る。できなければ、ずらす。
など、やることを視覚化するとよい。
<質問4>英語を話すことが苦痛だと言っています
中学3年生の男子です。英語の発音が大変苦手で、英語を話すことが苦痛だと言っています。どうしたらよいでしょうか。
<回答4>
それはご心配でしょう。英語は、母音も子音も数が多く、日本語にない発音があるなどの理由から、英語の発音は難しいと思われがちです。もちろん正確な発音は大切ですが、単語一つ一つの発音にこだわるあまり、英語としてのリズムを失ってしまっては、相手にはうまく伝わりません。まずは、洋楽を口ずさんだりNHKのテレビやラジオの講座などの英語を真似たりして、リズムやイントネーションに慣れ親しむことから始めてはいかがでしょうか。
イントネーションを重視した場合のやや極端な例にはなりますが、時間を尋ねるときには "What time is it now?" の代わりに「掘った芋いじるな」と言ったり、バスを降りるときには "I get off."の代わりに「揚げ豆腐」と言ったりした方が、一つずつの英単語をバラバラに言うよりは伝わりやすいと言います。言葉は相手に伝わってこそ価値があります。英語の歌や教材に触れながら、英語の音の強弱や長短、つながりに意識を向けて練習するようになるとよいですね。次第に発音そのものもよくなってきますよ。
<質問5>テストの結果を見せてくれません
中学2年です。近頃テストの結果を見せてくれません。成績連絡票にも、自分ではんこを押して提出しているようです。どうしたらよいでしょうか。
<回答5>
テストの結果が良いと、子どもは家に帰って来るなり家の人のところに飛んできて、「見て見て!テストの結果が良かったよ!」と報告に来てくれますよね。本人はもちろん嬉しいのですが、それ以上に、早く家の人に伝えて褒めてもらいたい、家の人に喜んでもらいたいと思っているのです。だからこそ、テストの結果が悪いと、「家の人に見せたくない・・・」と思ってしまうのではないでしょうか。
さて、家の人は、お子さんのテストの結果が返ってきた時にどんな声をかけますか?
良い結果の時は当然「よく頑張ったね」と褒めるでしょう。では、悪い結果の時はどうでしょうか。「何この点数!?ちゃんと勉強したの?」ついつい、そんな声かけになっていませんか?
お気持ちはわかります。でも、テストの結果というのは、たまたまそのテストから出された単なる数値でしかないと考えたらどうでしょう。お子さんはテスト当日、体調が悪かったのかもしれませんし、運悪く勉強したところが出題されなかっただけかもしれません。大事なことは、結果によってではなく、テストまでの努力の姿で叱咤・激励することではないでしょうか。テストの結果が悪かったとしても、「毎日遅くまで頑張っていたよな!」「今回は点数には表れなかったけど、苦手な教科に粘り強く取り組んでいたよね!」と、結果ではなく、それまでの過程で評価をしてあげれば、お子さんはテストの結果に怯えるのではなく、努力する姿を見てもらおうと頑張り、どんな結果であっても受け止めて、次に向かおうとするのではないでしょうか。きっと「はんこ押して」と成績連絡票を見せにきてくれますよ。
<質問6>英語に触れさせたい
中学校2年生女子です。英語が苦手なので、家でも英語のラジオ番組などを聞かせたいと思うのですが、部活動や塾もあり、時間帯が合いません。何か良い方法はないでしょうか。
<回答6>
苦手教科があると、やはりご心配のことと思います。また、中学生は忙しく、なかなか時間が取れませんね。
最近では、ラジオ番組を聴くのにもいろいろと良い方法があります。インターネットラジオもその1つです。ラジオのアプリケーションを入れれば、パソコンやスマホ、タブレットでもラジオを聞くことができます。それでも時間が合わなくて無理と思われる場合は、ストリーミング(データを保存せずに視聴すること)はいかがでしょうか。例えば、NHKの「NHKゴガク」のホームページから「マイ語学」で好きな番組(テレビ・ラジオ両方可)を選んで登録すると、放送日から1週間は、いつでも何度でもその番組を視聴することができます。
これらの良い点は、場所や時間を選ばずに視聴できること、そして登録は無料であるということです。少しでも空き時間を有効に活用し、苦手教科の克服につながると良いですね。
<質問7>将来の目標がない
息子は中学3年生です。将来の目標を何も持っていません。このような状態で進学先を決めてもいいのでしょうか?
<回答7>
おうちの人にしてみれば、何も目的を持たずに進学先を決めるということに対して、「これでいいのかな?」と思ってしまうのですね。しかし、「○○になりたい」という目標をもつことは、実はなかなか難しいものです・・・。小学生の頃は、かなり多くの子どもたちが夢や目標を持っています。例えば、スポーツをやっている子は「プロスポーツ選手になりたい」と言いますし、ゲームが好きな子は「ゲームデザイナーになりたい」と言います。自由に夢を語れた小学生の頃が過ぎ、だんだんと自分の進路に対して真剣に考え出したとき、「ずっと続けるであろう職業はこれでいいのだろうか」と迷ったり、自分の能力とすりあわせする中で、「自分には無理じゃないだろうか」と不安に思ったりして、はっきりと言えないのかもしれません。中学校でも職業調べや職場体験を通して幅広い職種を子どもたちに知ってもらい、体験してもらおうと取り組んでいますが、世の中すべての職種を網羅することはできません。きりがないと言えばそれまでなのですが・・・。
そこで、お父さん、お母さんの小さい頃の夢や目標を話してみてはどうでしょうか。お父さん、お母さんの仕事は知っていても、どうしてその仕事に就いたのか、何がきっかけだったのかはあまり知らないのではないでしょうか。また、お父さん、お母さん自身がどんな夢や目標を持っていたのか、そして、その夢がどう変わっていったのかということを、1番身近で信頼できるおうちの人から聞くことができれば、気楽な感じで自分の将来について考え始めるのではないでしょうか。目標を持つことは、これから受験生として勉強に取り組むときの頑張るエネルギーになります。すぐには目標が持てなくても、長い目で見守り、支えてあげてください。
<質問8>やる気が感じられない
中3男子です。入試が近づいているのに、まったく自覚がなく危機感を持っている様子も見られません。どうしたらいいでしょうか。
<回答8>
一見何の危機感もないように見えますが、実は危機感は内面に隠していることが多いものです。本当は合格できるか不安で、勉強しなくてはいけないのはわかっているけれど、なかなか手をつけられず悩んでいることがよくあります。内面を知られたくない多感な時期だからこそ、危機感を外に出すことや他人に知られることを嫌い、注意されると反発します。
親としてはつい不安を口に出してしまったり、「お兄ちゃんはもっと勉強したのに...」と兄や姉と比べてしまったりしがちです。そこはグッと我慢して、「勉強しなさい」の代わりに、「何か手伝えることはない?」と聞くことで、応援しているという気持ちを伝えてみましょう。応援されているという気持ちが、頑張らなくてはという自覚につながるのではないでしょうか。不安も大きいと思いますが、入試の主役はお子さんです。自分の力で進路を決める、大きな成長の機会と捉え、注意するのではなく応援するという気持ちで接していくとよいでしょう。
<質問9>注意をすると反発する
中学3年生です。いつまでもテレビばかり見ているので注意をすると、「やる気がなくなった」と言って部屋を出て行ってしまいます。どうしたらよいでしょうか。
<回答9>
受験生でありながらテレビばかり見ている姿を見ると、ついつい「勉強しなさい」と言ってしまいますよね。いつ言おうか心の中でイライラが募り、タイミングを探りながらの言葉だと予想されます。お子さんの言葉に「やる気がなくなった」とあります。「やる気がなくなった」ということは「やる気はある」ということです。ですから、お子さんの「やる気」を尊重して、「勉強しなさい」ではなく「今日は何時から勉強するの?」と聞いてみましょう。勉強しなければ!と思っている時に、勉強しなさいと言われると反発したくもなりますが、自分で勉強することを決めたならば、(押しつけられたものではないので)気持ちよく行動に移せるのではないでしょうか。(お家の人が)言葉かけをする時に余裕がないとできないものですが、お子さんが自分で決めることができる言葉を投げかけて、その言葉に責任を持たせることを大事にして見守っていきましょう。
<質問10>テスト勉強
中学3年です。テストが近づいてきたのですが、何から手をつけていいのか、わからないようです。どうしたらいいでしょうか。
<回答10>
まず、自分の弱点や苦手なところがどこなのか知ることが大切です。その上で、それをどのようになくしていくか対策を立てるのが効果的です。
具体的には、
①自分が今までに使ってきたワーク(問題集)、プリント、テストを用意し、
②できなかった問題にしるしをつけ、もう一度解いてみます。ノートに問題を写して解いてみるのもよいでしょう。
③もう一度解いてみて、できない場合は、解説を読んでみたり、先生に質問したりしましょう。
「千里の道も一歩から」「雨垂(だ)れ石を穿(うが)つ」という格言もありますので、一つ一つ積み重ねていくことが力をつけていくことにつながります。テスト前になって、あせらなくてもよいように、普段からプリントやテストの整理をしておき、わからないところをそのままにしないことを心がけておくことが最も大切ですね。
<質問11>得意教科と不得意教科
中学3年です。得意教科と不得意教科がはっきり分かれてきました。来月から塾に行く予定ですが、得意を伸ばすのか、不得意を改善するのか、どちらの教科を選べばよいのでしょうか。
<回答11>
得意な教科と苦手な教科、どちらから取り組まれたらよいかについて、ここではいくつかの考える視点を提案します。まず、お子さんがこれから勉強を進めていく上で、やる気と自信につながりやすいのはどちらなのかを考えてみてはいかがでしょうか。学ぶことの楽しさ、「できた」「分かった」という喜びの積み重ねが、困難な課題にもチャレンジしようという意欲を生み出すことにつながります。次に、今のお子さんの学習の理解度をより具体的につかむことも重要であると考えます。苦手な教科であっても、「この分野は分かる」「ここが特にわからない」などがはっきりすれば、「ここに戻って基本の問題からやっていこう」と、取り組むべき内容が明らかになってくることでしょう。この点については、担任の先生がより的確に把握していると思いますので、ご相談されてはいかがでしょうか。
<質問12>先生に質問できない
中学1年です。小学校の算数がよく分かっていないのですが、「先生には質問できない」といいます。分からないのなら、質問して教えてもらえばいいのにと思うのですが、どうしたらよいのでしょうか。
<回答12>
お子さんが「質問できない」ということにはいろいろな理由が考えられます。1つ目に分からないということが恥ずかしいのかもしれません。「こんなことを聞いてもいいのか」と不安な気持ちになることもあるのでしょう。2つ目に質問するタイミングがわからないのかもしれません。中学校は教科担任制なので、教科の時間以外で質問しにくいことも考えられます。3つ目に質問の仕方がわからないのかもしれません。お子さんが質問できない理由を聞いてあげて、担任の先生に相談してみてはいかがでしょうか。なお、「なぜ質問できないの?」と聞くときには、ちょっとしたコツがあります。「なんで質問できんのや」と問い詰めるように聞くと、本音は返ってこないかもしれませんね。「どんなことで、質問しにくいの?」とソフトに聞くと、批判的に聞こえにくくなります。本当の理由が分かれば対策も立てやすいものです。質問できるようになると学習への自信につながりますから、まずはお子さんの本当の気持ちを引き出してあげてください。
<質問13>勉強するからゲーム買って!
中学1年です。子どもが「今度のテストで90点とれたら、ゲームソフト買って。」と言います。励みになれば良いかと思い、何回か買ってやりましたが、このまま続けて良いでしょうか。
<回答13>
勉強の励みになればという気持ちから物を買って与えるということはよく聞くことです。物を買って与えることで、学習に対してのやる気につながり、成績が上がるという効果も確かに考えられます。しかし、「褒美がないとやる気がわかなくなる」ようになってしまうのは心配ですね。人がやる気を出す源には、ご褒美などの他者からの働きかけもあるのですが、実は自分の心の中から生まれる意欲の方が強いといわれています。自分の心の中に、「おもしろい」「わかった」「できた」などという気持ちが強くなってくると、やる気はますます出てくるものです。中学1年ですから、いろいろな欲しいものがあるのは自然なことですが、勉強と取引するような与え方は望ましくないのではないでしょうか。成長するにつれ、ものではなく、自分の心の中の達成感などから得る満足へと変わっていけるといいですね。
<質問14>一夜漬け勉強はなぜいけない?
中学2年です。テスト前の一夜漬け勉強はよくないと叱るのですが、「なんで」と聞かれると説明できません。一夜漬け勉強は、なぜダメなのでしょうか。
<回答14>
ここでは、2種類の記憶、短期記憶と長期記憶について説明します。直前に覚えた記憶は、短期記憶とよばれ、脳のある部分に保管されます。しかし、短期記憶は不安定で、新しい情報が入り込んでくると、次々と記憶が書き換えられ、つまりは忘れることになってしまいます。学習を進める上で心にとめておかなければならないのは、漢字テストや定期テストのために一夜漬けをして成果を上げるのが最終的なゴールではないということです。脳は、繰り返しの復習をすることで、学習内容を重要な情報と判断して、短期記憶から長期記憶へと保管場所を変えるようです。長期記憶は、長期間、安定して記憶され、いつでも引き出せるという特徴があります。学習には長期記憶が望ましいことはいうまでもありませんから、「地道な繰り返しの学習や体験などにより、長期記憶として残るんだよ」等と、お子さんに説明してあげましょう。
<質問15>中学校の勉強法
中学1年です。小学校と比べて、勉強の内容が難しくなったようです。何かいい勉強法があったらアドバイスしてあげたいのですが。
<回答15>
ここでは、首都大学妹尾淳史准教授等が指摘する「有効な時間の使い方」をご紹介します。1つめは、自分の勉強のペースを作ることです。毎日の生活のリズムを一定にして、勉強する時間を決めます。スケジュールをつけると視覚的に時間を管理できるでしょう。2つめに、だらだら勉強しないことです。それには、例えば1時間を単位として、勉強する教科を変えるとよいという指摘もあります。3つめは、続けることです。例えば、1日5時間を時々勉強するより、1日30分を毎日勉強することが効果的だと言われています。最後に、夜や朝の時間帯等を有効利用することです。例えば、「寝る直前に入った情報は、記憶効果が高い」という実験結果もあるようです。また、朝の時間は、睡眠による休息の後なので、集中力等がアップして学習効果が高まるという指摘もあります。いずれにしても、お子さんにあった生活のリズムを作っていくことをおすすめします。
<質問16>うたた寝をしてしまう
中学3年です。勉強部屋を見に行くと、いつもうたた寝しています。ベッドで寝なさいと言うと、宿題が終わっていないからと言います。うたた寝しない勉強の仕方はないのでしょうか。
<回答15>
眠たいけれどもやることがあるから寝られない。そういう思いをもって宿題に取り組んでいるのですから、努力家でまじめなお子さんなのですね。そのようながんばり屋のお子さんに対して、発想をかえて「眠いときには、思い切って仮眠するのがよい。」とアドバイスをされてはいかがでしょうか。ただし、仮眠にはよい仮眠と悪い仮眠があります。よい仮眠に向かうための工夫として、次の2点が考えられます。1番目は横にならずに椅子に座ったままの姿勢等で眠ることです。2番目は、仮眠の時間は15分-20分程度が適当であるといわれていますので、目覚ましなどを使って時間を守ってみましょう。脳が熟睡モードに切り替わってしまい、朝までぐっすり・・・となってしまわずに、切り替えて集中力がアップできることでしょう。
<質問17>自分には無理
中学2年です。テストの答案を見ると、数学の証明問題や、国語の文章で答える問題が、ほとんど未記入です。子どもは「自分には無理」とあきらめています。どうしたらいいでしょうか。
<回答17>
数学の証明問題や国語の文章で答える問題を苦手と感じているお子さんは多いと思われます。お子さんも同じように苦手意識をもっているようですね。どのようなことから「自分には無理」と思ってあきらめてしまっているのでしょうか。一般的には、「問題を読み取ることができない」、「数学の証明問題の解答手順など問題を解く型を知らない」、あるいは「分かるわけがない」と思い込んでいるなどの理由が考えられます。まずは、あきらめる原因やきっかけを聞いてあげてください。原因やきっかけが分かると対策も立てやすくなります。ただし、聞き方にもコツがありますよ(質問5参照)。人が「今までできなかったことができるようになる」ためには、「一人でもできるレベル」と「他人の力を借りれば、できるレベル」を見つけると、サポートがしやすくなると言われています。担任の先生などと相談し、十分にお子さんの状態を理解していくことが、お子さんに合ったサポートを可能にしていくのではないでしょうか。
<質問18>宿題をしなくなった
中1男子です。小学校までは宿題をしていたのに、宿題をしなくなってしまいました。どうしたらよいでしょうか?
<回答18>
小学校のときはがんばっていたのに、中学校でどうして宿題をしなくなったのだろうとご心配のことと思います。お子さんが宿題をしなくなったことには、何らかの事情や原因があるのだと思いますが、考えられる事情をいくつか挙げてみます。まずは、学校が終わってからも塾や習い事等で忙しかったり、ゲーム等に夢中になったりして、机に向かう時間がとれないままに寝てしまうという場合です。毎日決めた時間どおり机に向かうことは難しいものですが、やることの優先順位をお子さんと一緒に決め、どうしても無理なものについては、見直していこうと提案してはいかがでしょうか。
また別の事情として、学習に対するやる気がわかないということも考えられます。やる気がわかない原因にもいろいろなことが考えられますが、いずれにせよお子さんが今自分に起こっている状態についての何らかのサインを出していると考えることができます。「やる気」についての詳しいご説明が、16-18歳の「どうしたらいいの?<学習・進路編><学習について>」の回答3に書かれていますので、その部分をご覧ください。
<進路について>
<質問1>生徒会や部活動の評価
中学2年です。高校入試では、生徒会活動や部活動のキャプテンをしていると、有利になると聞きましたが、本当なのでしょうか。
<回答1>
調査書(いわゆる内申書)が高校入試でどのように扱われるのかの詳細は非公開となっているため、ご質問にはっきりお答えすることができないのが現状です。調査書には中学校生活3年間に取り組んだ様々な事実が記されます。例えば、調査書に「○○部キャプテン」と書かれたとしても、その言葉自体は表面的な事実にすぎません。しかし、キャプテンとして、活動に真剣に取り組むことによってもたらされるものはとても大きいと思われます。大役を果たしたという自信、物事を筋道立てて考える力、リーダーシップのとり方、困難に立ち向かう力、あきらめない力などが考えられます。これらは、これからの人生を生きていく上での一生の宝物だといえるのではないでしょうか。高校入試に有利、不利という視点だけでなく、お子さんが活動を通して上記のような力を得られるように応援されてはいかがでしょうか。
<質問2>担任と塾の先生
中学3年です。成績と進学を目指している高校について、担任の先生と塾の先生の説明の内容や、合格可能性の判定が違います。どちらを信用したらいいのでしょうか。>
<回答2>
お子さんが安心して、受験に臨めることを最優先に考えていきましょう。もし、学校の先生と塾の先生の説明や判断が違った場合には、「学校と塾のどちらのアドバイスを信用するか」という考え方よりも、「判断のための基礎資料が2つある」という考え方で受け止められてはいかがでしょうか。学校も塾も、入手できうる現在と過去の様々なデータや経験から判断して、最善のアドバイスをされていると思いますが、高校入試当日の状況を100%予測できるものではないととらえましょう。その上で、「がんばっている」「可能性がある」「こうするとよい」という部分を前向きにとらえつつ、「分からない」、「納得ができない」という部分については、学校や塾それぞれにさらに説明を求めてもよいでしょう。
<質問3>職業系の高校
中学2年です。本人は職業系の高校進学を希望していますが、親としてはA高校(普通科)へ進学してほしいと思っています。どうしたら、親の希望を聞いてくれるのでしょうか。
<回答3>
保護者の方もお子さんの将来のことを思って言われているわけですから、意見が食い違うことでのお互いのストレスはとても大きなものだと思います。ところで、保護者の方が普通科進学を望まれるのは、大学進学を見越してのことでしょうか。最近は職業系高校からの進学率も高まっており、必ずしも「普通科=大学進学に有利」というわけではないようです。ただし、職業系の高校からは特定の分野の大学進学が有利という限定的な部分もあるでしょうから、それぞれの卒業後の進路情報を集めることが必要です。しかしながら、最も大事なことは、保護者の方に高校進学への思いがあるように、お子さんにも、お子さんなりの思いがあって職業系の高校を希望しているということです。中学卒業後の進路選択は、お子さんにとって人生最初の大きな決断です。最終的には本人が納得して決めることが今後にとっても一番よい形だと思います。まずは、お子さんの将来についての希望や思いを十分に聴いてあげてください。
<質問4>声優になりたい
中3女子です。高校進学について。本人が声優になりたいから高校へは行かないと言い出しました。どうしたらよいのでしょうか?
<回答4>
「せめて高校は卒業してほしい」というのが多くの保護者の方の願いではないでしょうか。大人の理屈からいえば、「声優になって活躍できる確率は極めて低い」「夢みたいなこといっていないで現実を見なさい」「今時、高校でてないと就職もできないのよ。高校でてからでも遅くはないじゃないの」などとお子さんに言いたくなりますよね。どれも正論だと思います。
お子さんも、学校で他の生徒はほとんど高校へ進学すること、何となく声優になることが現実として難しいことなどは頭では理解しているように思えます。「なぜ声優になりたいのか」と問い詰めるよりも、「声優になるとどんないいことがあるの」と尋ねてみるのもよいかもしれません。「自分が認められる気がする」「夢の世界にいるような気分になれる」とかいろいろ答えは返ってくるでしょう。「声優になりたい」という願望の裏側にある「今の生活への思い」をくみ取ることで、お子さんをより理解できるかもしれません。
<質問5>福井県の高校入試
中学1年です。昨年、県外から引っ越してきたので、福井県の高校入試の事情が全く分かりません。各学校の情報は、どこで入手したらよいでしょうか。
<回答5>
慣れないところだと、不安なことも多いことと思います。福井県の公立高校の入試情報は、福井県教育庁高校教育課のホームページから、いろいろな情報を入手できます。同課では、中学3年生用に全ての県立学校の情報を掲載した冊子「進路のしおり」を全中学校に配付しています。また、私立高校の入試情報は、北陸高等学校、仁愛女子高等学校、福井工業大学附属福井高校、啓新高等学校、敦賀気比高等学校、福井南高等学校の各ホームページに掲載されています。また、各私立高校のホームページは、福井県総務部大学・私学振興課のホームページにリンクが貼ってありますし、全中学校に「福井県私立高等学校ガイドブック」を配布しています。さらには、夏休みを中心に各学校がオープンスクールを実施していますので、参加されてはいかがでしょうか。各学校の担当者が各中学校を訪問して説明会を実施することもあります。文字情報と体験による情報から総合的に判断するとよいでしょう。
<塾や習い事について>
<質問1>>塾へ行った方がいい?
中学2年です。「塾へ行きたい」と言い出しました。確かに近所の中学生は、ほとんど塾に通っているようです。学校の授業と宿題だけではついていけないのでしょうか。
<回答5>
まず、学校の授業をしっかり聞いて、宿題を丁寧にやることが、学習内容を理解することにおいて大切なことだと思います。文部科学省(2008)の調査では、中学2年生の約半数が塾に通っているようです。ここでは、塾に通う目的について整理してみましょう。1つ目に学校の授業以上の高度な学習をするためや受験を考えているために受験対策をするために行く。2つ目に苦手なところや学校で分からないことを補うために行く。3つ目に家庭学習の1つの方法として塾を利用する。いろいろな目的が考えられると思います。まずは、お子さんが、塾に行きたいと言っている理由を確認してみましょう。上記の3つの理由のように、お子さんが前向きな気持ちで考えていると判断されれば、塾に行くことを応援してあげてはいかがでしょうか。